国際宇宙ステーションへの人員輸送を担う、ボーイングの宇宙船CST-100「スターライナー」が、いよいよ日本時間の2019年12月20日20時36分(現地時間20日6時36分)に初めて打ち上げられます。今回は無人で国際宇宙ステーションにドッキングし、地上へ帰還することになっています。

 この様子はNASAの無料ストリーミング動画サービス「NASA TV」や公式Twitterアカウント(@NASA)、NASA公式YouTubeチャンネルで日本時間の19時30分から生中継されることになっています。

 アメリカは、国際宇宙ステーションへ向かう宇宙飛行士の往復手段に民間の宇宙船を活用することに決定。ボーイングのCST-100「スターライナー」と、スペースXの「クルードラゴン」を選定しました。すでにスペースXのクルードラゴンは無人での初飛行に成功しており、ボーイングも初飛行にこぎつけました。

 ボーイングCST-100スターライナーは、最大7人乗りの宇宙船。1960年代のアポロ宇宙船のように円すい形をしていますが、内部の機器はアポロ時代と異なり、大きなモニタ画面が並ぶグラスコクピットとなっています。

 スターライナーを打ち上げるロケットは、ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)のアトラスVロケット。アメリカ初の軌道周回飛行を成し遂げた、ジョン・H・グレンを打ち上げたロケットの系譜に連なる、高い信頼性を誇るロケットです。

 アトラスVは名前こそ「アトラス」の名を受け継いでいますが、各所は改良を重ねられ、1960年代当時の部分はすでになく、まったく別物といっていい形になっています。第1段エンジンはロシアが開発したRD-180を採用しており、米ソの宇宙開発競争時代では考えられないような構成です。

 2019年11月にスターライナーと結合されたアトラスVロケットは、12月18日にロケット組み立て塔からロールアウト。フロリダ州のケネディ宇宙センターに隣接する、ケープカナベラル空軍基地の第41発射施設へと移動し、打ち上げ準備に入りました。


 今後スターライナーに乗る予定の宇宙飛行士も様子を見守り、ロケットをバックに記念撮影。近い将来、自分たちが乗って国際宇宙ステーションへ向かうのが楽しみな様子です。


 無人で打ち上げられたスターライナーは、国際宇宙ステーションにドッキングし、宇宙船としての機能がチェックされます。国際宇宙ステーションから離脱して、地表に戻ってくるのは12月28日を予定しています。

<出典・引用>
NASA ニュースリリース
Image:NASA

(咲村珠樹)