ロシア空軍のアクロバットチーム「ルースキエ・ヴィーチャズィ(ロシアン・ナイツ)」が使用機を最新のSu-35S戦闘機に転換。2019年11月12日(現地時間)、モスクワ近郊のクビンカで新しい機体を受領しました。

 ロシア空軍(ロシア航空宇宙軍)を代表するアクロバット(エアロバティック)チームのひとつ、ルースキエ・ヴィーチャズィ(ロシアの英雄)。英語表記の「ロシアン・ナイツ」という名称でも知られています。

 チームは代々スホーイの戦闘機、Su-27の系列を4機使用しており、同じくロシア空軍のアクロバットチーム「ストリージ(スウィフツ)」が使用するMiG-29系の戦闘機6機との住み分けがなされています。

 ルースキエ・ヴィーチャズィは、ロシア空軍パイロットの優れた技量を内外にアピールするとともに、使用するロシア製戦闘機の性能をアピールする役割を果たしています。このため、チームにはその時点での最新モデルが配備されてきました。


 これまでの使用機は、2017年シーズンのエアショウから投入されたSu-30SM。わずか2年あまりで新型のSu-35Sに変更することとなりました。


 Su-35Sは、2014年から配備が始まったSu-27シリーズの最新型で、末尾のSは「量産型」を示すもの。これまでのSu-30にあったカナード(先翼)が廃止され、オリジナルのSu-27に似た姿へと変わりました。


 機体後部のジェットエンジンは、縦(ピッチ)・横(ヨー)方向に動く推力偏向ノズルを装備。これにより、通常ではあり得ない半径での宙返り(バック転)も可能です。

 今回引き渡されたSu-35Sは4機。今後予備機も納入され、2020年シーズンには新しい4機のSu-35Sによる飛行展示が披露されるものと思われます。

<出典・引用>
UAC(スホーイ) プレスリリース
Image:UAC/ロシア国防省

(咲村珠樹)