お菓子の空箱で作ったとはにわかに思えないような作品を作り出してはツイッターを騒がせている、“空箱職人はるきる”さん。あちこちで「カミワザ」と紹介されていますが、今度は、神戸ローストショコラの空箱で神戸をイメージした新作品を発表。その制作現場なども公開しています。

 はるきるさんは、現在は神戸で大学に通いながら空箱職人として様々な作品をツイッターに投稿。そしてそのクオリティの高さに毎回ネット民が驚愕という状態。

 今回は、江崎グリコの人気のチョコレート菓子「神戸ローストショコラ」が、神戸の街並みをデザインした限定パッケージを10月7日からAmazon特設サイトで発売するということで、空箱職人はるきるさんとコラボ。

 神戸の街並みをコンセプトにイラストレーターのマテウシュ・ウルバノヴィチさんがデザインした限定大袋パッケージが発売されるということで、手軽に買える箱タイプの「神戸ローストショコラ」を使った「客船と神戸の港町」をはるきるさんが制作。その制作風景やインタビューも公開しています。

 神戸のチョコレート工場で独自製法で焙煎したカカオで作った、神戸ローストショコラは、神戸風月堂監修のゴーフル風クランチを練りこんだ「ゴーフル」、濃厚なミルクの風味が特徴的な「濃厚ミルク」、カカオ50%の「大人のビター」、バンホーテンココアを加えた「バンホーテンブレンド(クリーミーミルク、深みカカオ)」の計5種類。

 今回、神戸の街並みをイラストレーターのマテウシュ・ウルバノヴィチさんがデザインした限定パッケージ6種類(垂水サンセット、南京中華街、旧居留地、北野坂、ハーバーランド、六甲山夜景)が発売されます。

 今回の動画制作にあたって、はるきるさん、大きな段ボール箱を抱えながら登場。段ボール箱の中身は、神戸ローストショコラの空箱を使った新作のほか、ビスコやホーバルなど、グリコの商品で作った過去の作品も「家が比較的近いですし、郵送するのも大袈裟だと思ったので(笑)」と工作道具と一緒に持ってきたとのこと。大きな荷物を持ちながら涼しい顔して語っていました。

 さて、今回はるきるさんが制作した「客船と神戸の港町」。公開されている制作風景には、はるきるさんの手元に6個の「神戸ローストショコラ」の箱。インタビューの内容とともに、箱を様々な角度から見つめ、箱同士を組み合わせてイメージを膨らませたり、そこから箱を切り出してパーツを組み合わせていく様子が映し出されています。

 「普段どおりに作業している感じで」という監督のリクエストのもと、箱からお菓子を取り出し、作品づくりがスタート。はるきるさんの手元にフォーカスし、糊やテープを使って「貼る」、ハサミや定規を当てながらカッターで「切る」という紙工作の基本動作で作られていく様子が手元から映し出され、時々真剣な眼差しも。

 はるきるさんは普段から下書きやスケッチなしで、頭の中で組み上げたイメージをそのまま形にしていくという作品作りをしていますが、今回も頭の中で図面を組み立てながら、パッケージの「神戸」の文字や、箱のベージュの色が建物向きと、箱の特徴を生かしながら制作していました。

 その制作時間、神戸ローストショコラの新作品は「15~20時間」という驚くべきスピードで完成に至ったそう。普段でも、1つの作品にかかる平均時間はおよそ2日間ということですから、神戸の街に住んでその街の良さをパッケージに投影し、“神戸感”を出したいという思いがその制作スピードに反映されていそうです。

 インタビューの中で、「当初は港町だけを作ろうと思っていたのですが、クリーミーミルク味の空箱を見た時に、ベージュやブラウンの配色が特徴的で、これは建物を作りやすいなと。北野の異人館に代表されるように、神戸の街は海側から山側に上がっていくと、美しい建物や住宅街が広がります。それも“神戸感”の一つとして表現しました」と神戸の街並みと港の船を組み合わせた作品にしたいというこだわりポイントをお話してくださいました。

 船、灯台、建物など、細かいパーツが多かった今回の作品。複数のパーツをいかにバランスよく配置すれば美しく仕上がるのか、何度も調整を重ねながら出来上がった今回の作品も、背の高い建物に組み込まれた灯台、バーコードの階段を伝って降りた港に停泊している客船とヨットなど、「神戸」の文字を生かしつつ、一つのまとまった港の街並みが作り出されています。

 大学卒業後は東京に拠点を移し、引き続き「空箱職人はるきる」として活動を続けていく予定とのこと。今後は家電などの少し大きなサイズの空箱や高級ブランドの空箱にも目を向けていき、とことん紙工作を突き詰めていきたいと意気込みを見せていました。

 特設サイトのWEB動画には、神戸ローストショコラの空箱の状態から形を変えて、完成作品に至るまでの様子をコマ送りで収録。さらに、完成作品を360度回転させる映像も収めているため、SNSなどの投稿画像では見られない作品の裏側も楽しむことができます。また、制作シーンと同時に、はるきるさんのインタビュー映像も収録。この動画だけで聞くことができる作品の制作秘話も収められていますよ。

情報提供:江崎グリコ株式会社

(梓川みいな)