何気ない日常生活の中で、突然に発生する事故や病気、火事。そんな時に頼りになるのが警察であったり、消防署であったり、救急外来であったりします。その現場はまさに24時間体制。そんな頼られる側の人々の日常を垣間見た画像に、様々な思いをはせる人が続出しています。

 「救急車が出動して行った後の食堂。消防や警察という仕事に敬意を払う理由は、僕にとってこれだけで十分です」という言葉とともに、1枚の写真をツイッターに投稿したのは、消防署の職員研修の講師をしている、ジミーちゃんさん。

 写真にはテーブルの上に飲み物が入っていると思しきコップと、お湯が入っていて今から食べようとしている状態の、手つかずにも見えるカップ麺。ふたは外されており、お箸もカップ麺の上に置いてあることから、ちょうど食べ始めのタイミングで出動となったのでしょう。どうやら麺は汁を吸ってのびきっているようす。これらの上にはラップが掛けられていました。

 このツイートには様々な反響が。「戻ってきたら『大きな火事にならなくてよかった』とか言いながら伸びきったカップ麺啜るのかと思うともう胸がギュッとなります……」「戻ってきたあとにまた食事の続きをされたのでしょう…」と、一仕事終えて伸びた麺をもそもそ食べる様子に心を寄せている人、「救急を呼ぶ事が多かったので、彼らには本当に感謝しかないです」「仕事とはいえ、自分のことを差し置いて活動してくださる方々には感謝しかありません」と、実際に救急隊にお世話になった人や家族からの感謝の言葉。

 さらに、「こうなるので当直の時は麺類は食べません」「あるあるですねぇ。食事中に出動、良くあります」と、同職方面からは「あるある話」的な反応も。

 ちなみに筆者は看護師で、病棟での夜勤時にはカップ麺は持っていかない主義でした。大体、おにぎり2個とお菓子。当時の夜勤は40床を2人体制でみていましたが、「今夜は急変する人いなさそうだなー」とか思ってカップ麺を持ってきた夜勤の相棒は、さて一段落したから休憩室で腹ごしらえしようとカップ麺にお湯を入れた直後、救急外来から緊急入院の受け入れの連絡が来たり、点滴入れているお爺さんが夜中に突然点滴を引っこ抜いて辺り一面スプラッタ状態になったりということもありまして……。

 当直医も大体みんな同じことになっているらしく、「敢えて今日はカップ麺で挑む!」とか言っていた医師もいましたっけ……。

 昼夜問わず、何が起きるか分からないのが人の生活。その生活であらゆる危機から守る人たちは、結構みんな同じ思いをしながら、それでも自分の事は後回しにして職務にあたるものです。自分で選んだ仕事だし、責任もやりがいも誇りも持てる。だから自分のことはさておき、仕事に忠実に、責任をもってやり通せるんですよね。

 なので、「これだけ尽くしても、『心無い市民』から苦情がくる」「これで何時間もご飯食べられず途中でコンビニ寄ったら『救急車が…消防車がコンビニとは何事か!』と叩かれるって日本はどうかしちゃってるの?」というリプライもあるように、使命を持った人間が同じく人間を助けるために、頑張っているということだけは伝えさせてください。

 ちなみに、このツイートが話題になった後に、「皆さまからの暖かい声援を、当該の救急隊員にお伝えさせていただきました。また『新しいどん兵衛を!』というお声を多数いただきましたので、皆さまに代わりまして私から差し入れさせていただきました!」と、ジミーちゃんさんから届きました。

 誰かの役に立てる仕事。そう実感できるからこそ頑張れるんですよね。

<記事化協力>
ジミーちゃん 安全第一さん(@0816Jimmy)

(梓川みいな/正看護師)