普段は出番があまりないけど、イベントの時などにワイングラスやコップ類を大量に洗って乾かす場合に便利な方法が、ツイッター上で話題になりました。

 この方法は、ワイングラスで美味しい日本酒アワードの金賞受賞酒「純米吟醸 竹葉(ちくは)」の蔵元、数馬酒造の“蔵元嫁”さんがツイートで紹介したもの。

 「本日、革命を起こしてしまいました。ワイングラスを洗ったりする時のためのケースを探していたのですが、ネットであれこれ探すも安くて6000円。何か良い方法はないかとホームセンターへ行き、出会ってしまった。苗入れ。168円!!!もう皆コレでいいと思う。最高。完璧です」と、実際に使っている様子を写真とともにツイッターで紹介しています。

 確かに、ワイングラスは高級なものから100円で買えるものまで色々とありますが、なまじ割れやすいだけに管理が大変。専用のグラスケースは高級グラスにも対応しているのでしょう、結構なお値段です。

 しかし、お酒のテイスティングに蔵元みんなでグラスを使う時など、普段使いではないけどグラスを大量に使う場面が時々ある場合、さすがにお高いケースを買うのにはちょっと気が引けてしまうものです。できれば安く、かつ使いやすいもの……。そこで出会ってしまったのが、この苗ポット用のプラスチックトレイ。

 まさか園芸コーナーで運命の出会いを果たしてしまうなんて……目の付け所がさすが蔵元のお嫁さん。このトレイ、リーデルのリースリングワイングラスがスペシャルフィットしているそうで、ひっくり返りそうでひっくり返らない。強度も柔らかさも程よい。そして軽い。「四隅に脚を付けて高さを出せば乾かすのにさらに良くなります」とのこと。

 プラスチック製ですが、20個全部グラスを入れて持ち上げてもたわむことがないそう。土の入った苗ポットの重量を支えるため、結構しっかりとしたつくりなので、グラスも安定しているようです。これで使わないときに折りたためたり、グラスを入れたまま業務用の食洗器に使えたりすれば、さらに使い勝手が良くなるのですが、元々が農業用資材なので、そこは難しいかもしれませんね……。

 数馬酒造さんが社用の試飲グラスをリーデルのリースリングに揃えたのは、社員一丸となって本気で世界レベルのお酒を造るため。最近は海外でも日本酒をグラスで飲むのが流行りつつあるようです。そして日本酒を作る側としても、海外への売り込みを強化したいところ。そのため、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」も毎年行われています。

 お酒は飲む器の飲み口部分の材質や厚みによって、味わいが微妙に変化するとか。このアワードの審査に使われているグラスがリーデルのグラスであることから、数馬酒造さんも試飲用のグラスをリーデルに統一。プレミアム純米部門で金賞を獲得するには入賞率24.3%(2019年度)という難関を突破しなければならないのですが、テイスティングを重ねて醸造された「純米吟醸 竹葉」はその難関を突破。

 その裏ではこのような試行錯誤が重ねられていたのですね。ツイートを見た人たちからは、実際にお酒を味わった事がある人からのコメントや、酒蔵のファンの皆さんからのコメント、そしてこんな裏技的な方法を編み出した蔵元のお嫁さんに、「この発想はなかった」と農家で普段苗ポット用のプラスチックトレイを使っている人からも驚きの声が。

 ちなみにこの苗ポット用のプラスチックトレイは、苗ポットの口径に応じて大きさが各種あるようなので、大勢に紙コップなどで振る舞う時にも応用できそうです。軽くてかさばらないのもいいですよね。

 イベントなどで使うにも使い勝手がよさそうなこのアイディア、皆さんも真似してみる価値、ありそうですよ。

<参考>
ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2019

<記事化協力>
蔵元嫁@能登の地酒「竹葉(ちくは)」数馬酒造さん(@kazumashihori)

(梓川みいな)