子どもが小さいうちは様々な病気にかかりやすいのですが、一方ですぐに治まってしまうことも。蕁麻疹もその一つ。急に出現して強く痒みを訴えたかと思えば、病院に着くころに治まっているということも。そんな時に使えるのがスマホの撮影機能です。

 「蕁麻疹が出た子どもの身体の写メを撮っていたら義理の両親から、『非常識!』『可哀想!』『母親失格!』と罵倒されたママもいます。『蕁麻疹は症状が出た時に写メを』は現在の『常識』になりつつあります。スマホの適正使用で傷つく保護者さんが減りますように」と、現在の育児におけるスマホ利用についての文句に対して、適切な使用方法があることを呼び掛けているのは、薬剤師のメルモさん。

 ツイッターでのこの投稿は大きな反響を呼び、複数の各診療科の医師アカウントからも、「乳幼児の便の色がおかしい時は、現物を持ってくるよりも写真の方がありがたいです」「てんかん発作の時も、居合わせた人はパニックになりがちですが発作時の様子を動画に撮影してくれると診断がしやすい」「子どもの睡眠時の無呼吸の診断にも、動画を撮って見せてもらえれるとすごく助かる」といったコメントが続出。

 喘息発作や熱性けいれんなども同様に、発作時の状況や発作の長さを動画で記録しておくことは医師にとって診療の大きな参考になります。一度何らかの症状が出て、診察を受けたときに「今度同様の症状が起こった時に動画を撮影してきてください」と患児の保護者に説明する医師も増えてきました。

 医療現場においても、皮膚の状態が異常であるときは写真に撮ってカルテに画像として記録しておくことはよくあることです。症状が初めて出たときと、治療中の経過を比較する時に画像を見比べることが、今後の治療に役立つからです。

 小児科や皮膚科では、症状が出始めたらすぐに画像を撮っておくように患者さんに伝えることは、もはや常識。他の科においても、必要に応じて写真や動画を撮るように伝えることも多いです。

 スマホの撮影機能は子どもの成長記録にも使えますし、ちょっとしたメモ代わりに撮影するにも使えますが、こうした病状の記録に使う事は今や「常識」となっています。非常識でも可哀そうでもなく、むしろ親として的確に病状を医療現場に伝えるために行うべきこととも言えます。

 一昔前の年代の人からしてみたら、「のんきに写真なんか撮って非常識」という見方が根強いかもしれません。しかし、時代は変わっています。現代における誰でも使える文明の利器を使いこなすことで、診療の一助になるのですから、「昔の常識」は思い切って捨てて欲しいと思います。

<記事化協力>
メルモさん(@okusurinokikime)

(梓川みいな/正看護師)