鳥によって、走るのが得意だったり、超高速で飛行したりとその性質や生息地によって色々と特徴が違っています。どうやらフクロウの仲間にも、走るのが得意な種類がいるみたい。そんなあるミミズクがカメラに向かって突進していく様子が話題となっています。

 フクロウ類6羽と爬虫類の飼い主である、ネットユーザーの“あ、さとーです。”ことさとうさん。ある日のミミズクさんの様子を動画に撮って「ミミズクは走るのが得意な種類の子もいます」とツイッターに投稿したところ、モンハンの「ホロロホルル」を思い出した人が続出。

 フクロウさん、本気出して走る時は羽も広がるみたいですが、この子は室内でカメラに向かって走っているからか、羽は閉じて走って寄ってきています。からの、カメラにボスッ。そして、なんだかキョロキョロとしています。

 さとうさんによると、この子はベンガルワシミミズクで名前は「御萩」。今年4歳の性別不明の子です。フクロウの性別はDNA鑑定をしないと分からないということで、特に鑑定はしていないのだそう。さとうさんの家には、御萩さんを含め、メンフクロウが3羽、ベンガルワシミミズクが2羽、アフリカワシミミズクが1羽と爬虫類たちが住んでいます。

 1羽でもお世話が大変そうなイメージのあるフクロウたちですが、やはり6羽もいると大変なことの方が多いようです。フクロウも係留されっぱなしではストレスがたまり、運動不足にもなるので、さとうさんや奥様が自宅内にいる時は、リビングで放鳥しているのだとか。しかし、鳥類はトイレのしつけができないので、フンがあちこちに被弾してしまうことも……。

 フクロウたちも、リビングの中で好きな場所がある様で、放鳥時はそれぞれお気に入りのところで過ごしたり、あちこち動き回ったりしているのだとか。そんな中で、「あの動画は実はエサで呼んでこっち来て見えないところでエサを食べたところなんですよ」とさとうさん。

 さとうさんご夫婦が2階の寝室で寝る時は、事故や喧嘩のリスクを避ける為にそれぞれのフクロウたちを係留して安全対策をしているのだそう。やはり6羽もいると、目を離すのは危険な様です。

 こんな姿を見ると、つい飼いたくなってしまいますが、やはりお世話や管理は大変。「ストレスにも大変弱い生き物ですし、環境が少しでも変わったり、知らない人が居たりするだけで餌を一切食べなくなってしまったりと、思った以上に飼い主ですら神経質になってしまいます」と、フクロウたちの神経質な性質に気を使わなければいけないというお話。

 さらに、暑さにも弱いので、エアコンは最低でも28度以下にしておかないと暑くて辛そうにしている子もいるのだそう。また、春先から秋近くまで「換羽」と言って羽の生え変わりがあり、それに伴って「脂粉」も大量に発生するので、エアコンのフィルターも自動清掃が追い付かず、2~3日に1度はフィルターの掃除が欠かせないのだそう。

 そして最大の難関が、食餌の問題。フクロウは基本肉食なので、メインは親ウズラの肉やヒヨコの肉、時折栄養価を高める為に必要なマウスやラットも与えるのですが、冷凍した小動物を解凍して捌くのは、飼い主の仕事。内臓や足の先端や嘴や頭等を切ったり、解体して食べやすいサイズにするのはかなり勇気が要ります。

 最初は奥様が行っていたのですが、さとうさんも勇気を出して餌を捌いてフクロウたちに与えることができるようになってからは、手からでもエサを取ってくれるようになってくれる様に。

 「思った以上にフクロウは人の事を見ているので、本当に賢い分大変と思いました」とさとうさん。最初は威嚇されたこともあったそうですが、餌を捌いて与えてくれる人という認識が生まれると、フクロウたちも心をひらくようです。

 なかなか慣れずに触らせてくれなかったり、噛みつかれたりすることもあったそうですが、今ではご夫婦でフクロウたちの世話をすることで、涼しい時期にフクロウたちをグローブに乗せて公園や近所を夫婦でグローブに乗せて大人しくさせながら散歩をする(据え散歩)ことも。

 「ある程度育った状態からお迎えをした子達が多く、如何に人や周りの環境に慣れてもらう事が出来るか等の為に据え散歩もしています。その小さな変化の出来事でもかなり感動したりと他の生き物には無い感動も感じます」と、他の生き物にないフクロウたちの魅力を語ってくださいました。

 大変なことも多い分、ちょっとした変化や面白みを見つけた時の感動もひとしお、といったところでしょうか。フクロウの話がご夫婦の共通の話題となってよいコミュニケーションともなっているそうで、家族がお互い同じ認識と理解を持ってお世話することが何よりも大切であると、お話を聞いて思ったのでした。

<記事化協力>
あ、さとーです。さん(@satoouuu)

(梓川みいな)