日本の自衛隊も調達を決定したF-35B。アメリカ海兵隊では2019年6月27日(現地時間)、初の女性F-35Bパイロットが誕生。山口県・岩国海兵隊航空基地の飛行隊に配属されることが8月9日に発表されました。

 アメリカ海兵隊で初めての女性として、F-35Bのパイロット養成課程を修了したのは、29歳のアンネリーゼ・サッツ大尉。海兵隊入隊前にヘリコプターのパイロットライセンスを取得し、空を飛ぶことを経験していたアイダホ州出身の女性です。

 海兵隊入隊後は固定翼のパイロット要員として、テキサス州のコーパスクリスティ基地でプロペラ(ターボプロップ)機のT-6テキサンII、そしてミシシッピ州メリディアン基地でT-45Cジェット練習機で飛行経験を積んだサッツ大尉。2018年7月にF-35B操縦基礎課程に入り、サウスカロライナ州ビューフォート海兵隊航空基地の第501戦闘攻撃訓練飛行隊(VMFAT-501)“ウォーローズ”へ配属されました。

 F-35B運用についての座学を修了したサッツ大尉が、初めてF-35Bを操縦したのは2018年10月のことでした。F-35Bの操縦訓練について、サッツ大尉は「飛行に備えて、シラバス(受講計画)を徹底的におさらいし、さらに飛行後もまた復習する。これはとても爽快な経験でした」と振り返っています。

 およそ4年間の訓練で300時間以上の飛行経験を得たサッツ大尉は、VMFAT-501での基礎操縦課程を修了し、いよいよ実戦部隊へ配属されます。配属先に選ばれたのは、日本の岩国海兵隊航空基地に駐留するVMFA-121“グリーンナイツ”。

 サッツ大尉は「教官や整備員、そして数え切れないほど多くの方による、数々の素晴らしい助力によって、私はVMFAT-501でのシラバスを進めることができました。皆さんから多くのことを学べたのを感謝するとともに、今度はVMFA-121の一員として、海兵隊の航空戦力の一翼を担うことを楽しみにしています」と、日本で過ごすこれからの日々についてもコメントしています。

 これから山口県の岩国海兵隊航空基地とその周辺で、サッツ大尉の姿を目にする機会があるかもしれません。毎年5月の連休に開催されるフレンドシップデー(航空祭)でも、パイロットスーツ姿のサッツ大尉が見られそうです。

<出典・引用>
アメリカ海兵隊 プレスリリース
Image:USMC

(咲村珠樹)