1969年7月20日に人類初の有人月着陸を行ったアポロ11号。その50周年を記念して、NASAのインターネットTV「NASA TV」が打ち上げ日の7月16日から7月21日にかけて、アポロ11号を特集した特別編成で配信を行います。

 1969年7月16日午前9時32分(アメリカ東部時間)、フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センター39A発射台からサターンVロケットAS-506で打ち上げられたアポロ11号。司令船(CSM-107)のコールサインはアメリカの別名である「コロンビア」、月着陸船(LM-5)のコールサインは「イーグル」でした。


 アポロ11号のクルーはニール・アームストロング(コマンダー)、エドウィン・E・オルドリンJr.(月着陸船パイロット)、マイケル・コリンズ(司令船パイロット)の3名。バックアップクルーはジェームズ・A・ラヴェル(コマンダー)、フレッド・W・ヘイズJr.(月着陸船パイロット)、ウィリアム・A・アンダース(司令船パイロット)。このうちラヴェルとヘイズはアポロ13号のクルーとなっています。アンダースは1969年9月にNASAを退職し、1976年~1977年にアメリカの駐ノルウェー大使を務めました。


 アームストロングとオルドリンが乗った月着陸船が月面に着陸したのは7月20日。降着装置の先端に取り付けられた棒状のセンサーで月の地表面に接地したことを確認し、およそ4時間の休息の後、テレビカメラによる生中継のもと、アームストロングが月面に足跡を記したのは、打ち上げから109時間42分後のことでした。この時に発した言葉が有名な「One small step for man, One giant leap for mankind」です。

 アームストロングが月面に降り立って20分後にオルドリンも月面に降り立ち、その30分後、地球のニクソン大統領が電話回線を通じて月面の2人を祝福しています。2人が月面で過ごした時間は21時間36分。これには7時間の睡眠も含まれています。月面での行動半径は最大300フィート(約10m)と、最初ということもあって広範囲ではありませんでした。

 月面に立てられたアメリカ国旗には、空気のない月面でも広がって見えるよう、上に真鍮製の棒が入っていたのは有名な話。地上で搭載用に旗を丸める作業を写した写真には、その心棒が見て取れます。

 この歴史的なアポロ11号のミッションから半世紀を迎えるのを記念して、NASAのインターネットTV「NASA TV」では、打ち上げ日の7月16日から特別編成を行なっています。内容はアポロ計画に関するドキュメンタリーや、宇宙飛行士へのインタビューなど。

 月着陸の7月20日には、アメリカCBSテレビが1969年当時に放送した報道特別番組を配信し、当時の雰囲気を追体験できるようになっています。また、7月21日には、アポロ計画以来となるアメリカの有人月探査ミッションを紹介する番組「NASA’s Giant Leaps」も配信予定。

 今から半世紀前に人類が月に行った、という当時の興奮を感じてみるのもいいかもしれません。NASA TVはNASAの公式サイトのほか、YouTubeやUstreamでも視聴可能です。

<出典・引用>
NASA プレスリリース
Image:NASA

(咲村珠樹)