はじめて東京に住むことになった時。進学、就職、転職など、東京に引っ越す理由はさまざまですが、土地勘がない場所であるがゆえに、TVなどで知る地名やエリアで新居を探してしまう……。そういう人は珍しくありません。

 そんな初めての東京ぐらしで、「やっぱり住むなら山手線沿いが良いなぁ」というぼんやり理由で引っ越し先を決めた結果、わずか2か月で再び引っ越すはめになったという実録漫画が話題です。

 漫画の主人公は、作者であり、漫画家として活動しているカエルDXさん。WEBメディアで体験漫画を執筆しているほか、漫画エッセイブログ「カエルDXのオタ活日記」も人気です。

 そんなカエルDXさん。数年前、転職することをきっかけに、初めて都内ぐらしをすることになりました。

 「東京に引っ越すゾ~」という期待を胸に、「やっぱり住むなら山手線沿いが良いなぁ」「便利そう」という理由で選んだ新居は、山手線沿いにある木造ボロのワンルーム。

 山手線沿いといえば都内でも人気が高く、ワンルームでもそれなりの家賃がします。最寄り駅にもよりますが、建物内外装の綺麗さや清潔さに頑丈さ、さらに周辺の住みやすさも求めるなら、ワンルームでも最低7万ぐらいはかかります。場所によってはもっとするかもしれません。

 しかしカエルDXさんが選んだのは、「敷金礼金なし」で「家賃5万5千円」という破格っぷり。ボロという点をのぞけば、自分色の部屋を作って楽しむなど住めば都と当初は楽観的に考えていたそうです。

 そして引っ越してしばらくたったある日のこと。第1の異変が起きてしまいます。その日はザーザー降りの大雨。「凄い雨だ……」と窓に目をやると、横の壁が「ぐにゃァ……」。壁が湿気でぐにゃぐにゃになっていたそうです。さらにこれだけでは終わらず、室内なのにカタツムリが出没。またある日は、炊飯ジャーにゴキブリがたかっていたそうです。

 これだけでも恐怖ですが、漫画は「これらはまだ可愛いほう……」と続きます。

 ある時、部屋の掃除の都合上、家具を玄関外に「ちょっと置いておこう」と一時的にだしておいたそうです。そして翌日みてみると、「無い!!」何者かに持ち去られたあとでした。

 そして極めつけは夜一人で部屋にいたときのこと。

 「ガチャ…ガチャ…」

 室内に響くドアノブの音。夜中何者かが、家の周りをウロウロする気配も感じたそうです。これは……ヤバすぎハウス……。

 これを機に、引っ越しを決意したカエルDXさん。住み始めてわずか2か月での出来事でした。引っ越しをお母さまに伝えると「もっと早く引っ越せよ……」と言われたそうですが、このヤバすぎハウスで一つだけ便利だったことも。

 引っ越し準備をしていたところ、デカい本棚が邪魔になり、処分をすることに。そこで思いついたのが、部屋の外。ためしに、玄関先に出してみたところ?期待どおり、翌日には綺麗さっぱり無くなっていたそうです。

 粗大ゴミを出すときには、確かに便利かも……とは、思いますが、深夜の不審者突撃に徘徊、雨に弱い壁、さらに虫が出てきてしまうのはちょっと。

 ちなみにこの手の賃貸トラブルは割とよくある話。特に、新入学や就職、転勤などが増える3月から4月にかけての入居で耳にします。引っ越しが重なる時期であるがゆえに、焦って契約してしまい、「思ってたより不便」「安さで選んだけど予想以上にボロかった」「雨漏りがひどい」「治安がわるかった!」と後で後悔につながることも多いようです。人によっては「見えない先住者がいた!」なんて違う意味でゾッとする体験も?

 今回のカエルDXさんの場合は、敷金礼金なしということもあり、すぐに引っ越しすることを決意されていますが、人によっては「簡単に引っ越せない」という場合もあるかと思います。

 そんな時は、まず大家さんや管理会社に改善をもとめる話をして、それでも改善の見込みがない場合には、国民生活センターや自治体の相談窓口に相談してみるという手があります。そして不審者については、容赦なく110番を。警察に相談してもいいものか?とためらう場合で、緊急性が低いと判断できる場合には警察相談ダイヤル「#9110」に相談する、という手もありますよ。

<記事化協力>
カエルDXさん(Twitter:@kaeru_dx / カエルDXの「オタ活」日記:http://kaerudx.com/

(宮崎美和子)