毎年7月にイギリス空軍フェアフォード基地で開催される、世界最大の国際ミリタリー・エアショウ「ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー(RIAT)」。日本からもたびたび自衛隊機が参加していることでも知られています。このエアショウで、ブリティッシュ・エアウェイズの創設100周年を祝うイベントとして、ブリティッシュ・エアウェイズの記念塗装機「レトロジェット」とイギリス空軍レッドアローズとの共演が2019年6月10日、発表されました。

 1919年に前身となる会社が設立され、1930年代終わりに現在の形になったブリティッシュ・エアウェイズ。一時期はイギリス国営の航空会社となっていましたが、現在は民営化されています。創設100周年を迎えた2019年は、これまでの歴代塗装を再現し、歴史を振り返る特別塗装機「レトロジェット」を4機登場させ、イギリス国内線をはじめ世界中を飛び回っています。

 このイギリスを代表する航空会社の100周年を記念して、ミリタリー・エアショウであるRIATでも祝福の飛行展示を実施することになったのです。今回イギリス空軍のレッドアローズと記念のフライパス(航過飛行)を行うのは、BOAC(英国海外航空)の塗装を再現したB747-400。レトロジェット第1弾としてお披露目された機体です。


 今回のフライパス実現について、レッドアローズの隊長を務めるアンドリュー・キース中佐は「ブリティッシュ・エアウェイズのB747と一緒に飛ぶというのは、双方のパイロットと地上で見る人々にとって非常に忘れられない時間となることでしょう。この飛行の実現に向けて、私たちとブリティッシュエアウェイズの担当者は、RIATのスタッフと何か月にもわたって綿密な調整を続けてきました。昨年、空軍も100周年を迎え、数々の祝賀行事を行いましたが、今回のフライパスも次の世代を担う子供たちに、空を目指そうという素敵なきっかけになってほしいと願っています。このソーティ(任務飛行)は、イギリスを代表する2つのブランドの共演であるとともに、イギリス最高の航空会社を祝福する、またとない機会になるでしょう」とコメントしています。



 当日、ブリティッシュ・エアウェイズのB747-400で機長を務めるリチャード・アレン-ウィリアムズさんは「復刻塗装を目の当たりにした乗客の皆さんや同僚の反応には圧倒されました。今回の記念飛行には、誇りとワクワクした気持ちを抱くとともに、BOAC塗装のB747はきっとRIATの観客の皆さんにとって素敵でノスタルジックな瞬間をお届けできると思います。この夏、レッドアローズとともにフェアフォード空軍基地を飛ぶことができて光栄です」と、レトロジェットとレッドアローズとの共演を楽しみにしている心境を語っています。

 RIATの総責任者、アンディ・アームストロングさんは「私たちの飛行展示にブリティッシュ・エアウェイズが参加するというのは、これまでにも何度かあり、そのたびに素晴らしい瞬間を提供してくれましたが、この夏も間違いなくそうなると確信しています。イギリスを代表する組織のひとつであるブリティッシュ・エアウェイズを祝福するのに、これ以上のものはありません」と、過去ブリティッシュ・エアウェイズが参加したRIATの飛行展示を引き合いに出しつつ、今回の記念フライパスについても素晴らしいものになると自信を見せています。

 当日の飛行展示プログラムには「BA 2119」という形で記念フライパスのスケジュールが記載されることになっています。これは次の100年、つまり創設200周年を迎える年を見据えて、これからも歩み続けるということを表現したもの。素敵なフライパスになることとを期待したいですね。

<出典・引用>
ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー(RIAT)プレスリリース
イギリス空軍 プレスリリース
Image:Crown Copyright/British Airways

(咲村珠樹)