3月12日深夜、ニュースサイトから衝撃の速報が飛び込んできました。そうです「ピエール瀧、コカイン使用の疑いで逮捕」。このニュースに、ファンはもちろん、芸能関係者にも衝撃が走ったでしょう。そして、こういう事件が起こった時に、ファンと芸能関係者が共通して心配することの1つが出演作品についてですね。(本稿に掲載する情報は2019年3月13日16時時点のものです)

■ 数々の名作がお蔵入り?

 現在、ピエール瀧容疑者はNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で足袋職人の黒坂辛作役として出演。さらに、TBS系列で放送されている「ゲンバビト」では番組の進行役を務め、地元・静岡県の静岡朝日テレビでは、冠番組「ピエール瀧のしょんないTV」が放送されています。現時点で、NHKは「対応を検討中」としていますが、「ゲンバビト」と「ピエール瀧のしょんないTV」の公式ホームページとツイッターは削除され、14日に放送が予定されていた「ピエール瀧のしょんないTV」は休止することが発表されました。

 さらに、今後の予定としては、5月に公開予定の映画「居眠り磐音」に出演。また、11月に公開予定の「アナと雪の女王2」では、前作の日本語吹き替え版でオラフの声を担当していたこともあり、そのまま続投することが確実視されていましたが、新聞などの報道によるとウォルト・ディズニー・ジャパンは声優の交代を検討していることが伝えられています。また、忘れてはいけないのが、電気グルーヴとしての活動で、今年は結成30周年の節目の年だったこともあり、それを記念して今月2日から「電気グルーヴ30周年“ウルトラのツアー”」を開催。15日と16日にZepp東京で最終公演が予定されていましたが、こちらも中止が発表されました。

 そして、もっと注目されているのがピエール瀧容疑者の過去作品。俳優・新井浩文被告が事件を起こした時は、主演映画「善悪の屑」が公開中止になったのを始め、昨年公開された映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」と「泣き虫しょったんの奇跡」のブルーレイとDVD版が発売延期になり、NHKは「真田丸」の配信を中止し、オンデマンドサービスでも出演作の配信を自粛しました。

 ピエール瀧容疑者で言えば、多くの映画賞で助演男優賞に輝いた映画「凶悪」やNHK連続テレビ小説の「あまちゃん」や「とと姉ちゃん」、TBS日曜劇場の「陸王」など、数多くの人気作品が挙げられます。当然、どの作品にも多くのファンがいるわけで、これらがお蔵入りになって、もう見られなくなるのではないかと心配しているのではないでしょうか?

■ 前職のテレビ業界で筆者が体験した「芸能人不祥事による番組お蔵入り事件」

 ちなみに、筆者は前職でテレビ関係の仕事をしていましたが、あるお笑い芸人の不祥事で、数か月前から準備していたスペシャル番組がお蔵入りになったことがあります。その時は、収録時間も決まっていて、あとは撮るだけだったのですが、収録数日前にスタッフから中止になったと連絡が来た時は、今までこの番組のために費やした時間は何だったのか……?と、なんとも言えない気持ちになりました。

 1つの番組を作るだけでも、本当の多くの人がかかわります。その番組の規模にもよりますが、何百人になることもあります。その一人一人の仕事全てが、たった一人の出演者のために無になるのは、本当につらいものがあります。とはいえ、特にテレビ番組は不特定多数の人が視聴します。中には、容疑者の顔をみるだけで何らかのことを思い出し辛い思いをする人も出てくるかもしれません。それに番組制作に協力してくれているスポンサーの名前や商品を傷つけることもあるかもしれません。だから放送、公開できない……仕方ないことだとは分かっているのですが、それでも何とか作品を出したいという思いは関係者一人一人にあると思います。なんとももどかしい部分ですね。

 作品に罪はあるのか? みなさんは、出演者の不祥事により、作品が見られなくなることについて、どう感じますか?

※画像は「ピエール瀧オフィシャルウェブサイト」のスクリーンショットです。

(佐藤圭亮)