ここ最近、厨房の中で撮影された不謹慎な動画が物議をかもしています。正直なところこの手の動画が取り沙汰されることにもうんざりしている人も多いのではないでしょうか。このような状況のもと、イタリアンシェフ大悟朗さん(@o8Lqtdt1jkR0pus)がツイッターに投稿した厨房風景には、ネットからまさに称賛の嵐が巻き起こっています。「バズる価値のある動画」「有料でもいい」「お店に行きたい」との感想の他にも玉子の数やフライパンの直径を聞いたり、玉子がすぐ固まってしまうというお悩みが寄せられました。ついには「実際にやってみた」動画まで出現しました。

https://twitter.com/o8Lqtdt1jkR0pus/status/1097464476616388610

 ツイッター動画を撮影したのは、バイト従業員の天哉さんです。動画はランチの名物「牛すじオムライス」を教えてもらう様子を、指導の初日にiPhoneで勉強用に撮影したもの。バイト歴は約6か月という天哉さんにもお話をうかがいました。

 「店長とは、前のバイト先で知り合いました。僕自身ホールを主に担当していましたが、たまたま3月から人が減るとの事で調理をやってみないかと言われました。彼とは同級生なので仕事に関する質問をしやすい点や、丁寧な指導、お店の雰囲気といい働いててよかったことは沢山あります」と天哉さん。牛すじオムライスの作り方をマスターすべく、頑張り続けているそうです。

 「創作イタリアン GODERE ~ゴデーレ~」で、店長を務める大悟朗さんは、役職こそ店長ですが、お店のデザイン、メニュー、マニュアルなどすべて手がけています。店名は「楽しい、嬉しいなどハッピー」という意味を持つイタリア語が由来だそうです。「スタッフが楽しくなかったらお客様も楽しんでもらえないと思い、スタッフとの距離が近い楽しんでもらえるような店づくりを目指すために名づけました」という言葉からはお店の名前に込めた大悟朗さんの思いが伝わってくるようです。

 お店のオーナーは、道頓堀で「更科」という蕎麦屋の3代目だった大悟朗さんのお父さんです。イタリアンの方が得意で和食とイタリアンを両立したいという大悟朗さんのために出店しました。約90年という歴史を重ねた更科でしたが現在は閉店しており、お父さんはあまりお店に立つことはなく経理を担当するなどして大悟朗さんをサポートしています。

 オムライスとパスタ全般を得意とする大悟朗さんは、ランチメニューでは「牛すじオムライス」。「ディナーは一品からパイ生地を使用したピザ、全て自家製のデザートがおススメです」とお店のおすすめ料理を教えてくれました。「更科秘伝の出汁を使用したメニューを考案中」なんだそう。和とイタリアンのハイブリッドな取り合わせにおどろきを禁じ得ません。

 お父さんの背中を見て育ち小さい頃から料理が好きだった、大悟朗さんのはじめての料理「豚の生姜焼き」は家族からも大好評でした。「今思えば家族の優しさですね」と大悟朗さんは言うものの「おいしい」といって食べてもらった記憶は強く残ったそうです。小学生でお蕎麦づくりを開始し、勉強すればするほどその奥深さに気づいてもっと好きになりました。その後はアルバイトをふくめて8店舗ほどのお店で修業を積んだそうです。

 今後は、場所は未定ですがまず大阪での店舗展開を考えているそうです。海外進出も視野に入れている大悟朗さんの料理は、いつの日か旅行先の国で楽しむことが出来るかもしれません。

<記事化協力>
イタリアンシェフ大悟朗さん(@o8Lqtdt1jkR0pus)
ツイッター動画撮影:天哉(たかや)さん

(山口さゆり)