振り袖に似合う日本髪を結いたい、と髪の毛を成人式に向けて伸ばしてきた人、いると思います。日本髪でなくても、華やかにアップにするにはそれなりに長さも必要。しかし、伸ばした髪の毛は洗ったり乾かしたりの扱いが大変。そのため、成人式が終わったらバッサリと切る!という人も。そんなバッサリ派にぜひ参加して欲しい、「ヘアドネーション」について呼び掛けているツイートがツイッターで話題になりました。

 「毎年言ってるけど、今年も言います。 成人式が終わって髪を切る方、子どもの医療用ウイッグのため、髪を寄付しませんか? 詳細はリンク先へ。 (写真は私が以前寄付した時のです)」と、特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity(通称 NPO法人 JHD&C)のリンクを紹介して、さらに自身の髪の毛を切る前と切った後の写真も一緒に投稿しているのは、ネットユーザーのかるめんさん。

 この投稿には多くの反響が寄せられ、3回目のヘアドネーションに挑戦中の人からのリプライや、今まさにヘアドネーションに参加するために伸ばしているという人たちからのリプライが寄せられています。中には、小学生でヘアドネーションに参加する意思を見せている人や、実際に小学生で寄付を行ったという人も。テレビや新聞などで紹介される事も増え、年齢問わずできるボランティアとして徐々に浸透していっています。ツイートを投稿したかるめんさん自身も、3回目のドネーションに向けて髪の毛を伸ばしているのだとか。

 実は、筆者の娘が昨年ヘアドネーションに参加しており、その時の様子を記事にしています。近所にJHD&C参加のヘアサロンがあり、そこで切ってもらいました。当時小学5年の筆者娘も、いい記念になったと喜んでいました。そして現在、筆者自身も長年のボブヘアから、ヘアドネーションに参加するために伸ばし始めています。昨年おとずれたヘアサロンでは、「3年くらい伸ばせば30センチ以上になるだろうから、なるべく傷めないように頑張って伸ばしてください」とサロンのオーナーから言われました。

  JHD&Cのサイトでは、全国の賛同サロンの検索ができるほか、サロンで切ってもらった髪の毛を直接送付する事もできます。また、病気の子どもに贈るウイッグを作る過程も紹介されており、寄付した髪の毛がどのような工程を経て実際に使えるものとなるのかを知る事ができます。もし、賛同サロンが分からないという人は検索してみると所在地付近の賛同サロンを探す事ができます。行きつけのサロンでドネーションカットをお願いする事もできるかもしれません。もし賛同サロンが近くになければ、行きつけのお店で相談してみるのも一案です。

 また、株式会社グローウィングが運営している「つな髪」というプロジェクトでも同様にヘアドネーションの運営を行っており、こちらもサポート店を紹介しています。どちらの団体も、ヘアドネーションで寄付された髪の毛を、抜毛症の子どもや、小児がん治療のための抗がん剤の副作用で抜けてしまった髪の毛の代わりとなるように無償で提供しています。

 ただ切るだけだとゴミになってしまう髪の毛も、きちんと手順を踏んで既定の長さ以上にして送る事ができれば、誰かの役に立ちます。こうした取り組みがもっと広まり、未来ある子どものために役に立つ事を願っています。

<参考>
特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity
株式会社グローウィング つな髪(R)

<記事化協力>
かるめんさん(@karumen_sing)

(梓川みいな)