動物園や水族館で見た生き物の詳細をもっと知りたい、パッと見ただけではどれがどれだかわからないという事、ありますよね。特に水族館では様々な水棲生物が同じ水槽に混在している事があって、どの魚がどの種類かパッとわからない事も。そんな時に役立つアプリが注目されています。

 「LINNE LENSって生き物の名前がでるアプリ、水族館で使うとすごい楽しい」と、そのアプリを使って水族館の生き物を識別している様子を動画でツイッターに投稿したのは、VRやARのアプリを手掛ける株式会社ViRDの“のしぷ”‏さん。動画を見ると、水槽で泳ぐ魚を瞬時に判別して名前を表示しているのが分かります。複数の魚が泳いでいても、同時に判別している様子も映し出されています。

 これを見た人たちからは、「リアルポケモン図鑑、、!」「めっちゃ面白いですね!!!」「これ、釣りとかで解らない魚とか釣れた時便利だと思う!」と続々と感想が。確かにポケモンをやった事がある人なら、知らない魚がどんどんアプリで表示されていく様はポケモン図鑑を連想するかもしれないですね。

 今回は魚の識別で話題となりましたが、「LINNE LENS」は「かざすAI図鑑」とも呼ばれており、様々な生き物に対応しています。アプリを開発した、Linne株式会社の代表取締役・杉本謙一さんにお話を伺ったところ、「日本の水族館・動物園にいる生き物の9割超をカバーしています。現状5,552種を認識でき、その内訳は魚類39.2%、鳥類 11.2%、哺乳類 8.7%、花虫綱 7.1%、甲殻類 6.7%、犬 5.8%、軟体類 5.3%、爬虫類 4.2%、ナマコ綱 3.6%、昆虫綱 3.1%、両生類 1.9%、猫 1.8%、その他 1.4%です」との事。

 世界で認知されている生き物は動物園や水族館以外にも多種多様。まだまだこれから、という感じ方をする人も多いかもしれませんが、今後も識別できる数は増えていくようです。また、アプリ自体は、電波の届かない水中でも使えるという事ですので、ダイビングで出会った魚たちを識別するのにも役立ちます。

水中での撮影・認識

 画像の認識精度は、撮影条件、個体にもよるものの、展示種を把握している水族館の静止画で平均92%の認識精度となっており、高い認識精度。また、 種類別にコレクションでき、分類ツリーで生きもの同士の意外なつながりも発見できます。認識できた生物は自動で登録でき、自分だけの図鑑を作る事ができるのも魅力。解説も充実しています。


 現行のアプリはお試しで1日10種類、それ以上の種類を認識するには有料となっていますが、サンシャイン水族館、海遊館、鳥羽水族館で11月末まで無料体験キャンペーンを実施中。サンシャイン水族館は無制限、海遊館は60種まで、鳥羽水族館は120種まで無料で認識できます。

 釣りに行く人や、海の生き物などが好きな人にはおススメなアプリですが、実はこれ、犬や猫の品種も識別してくれます。分からない品種については、「~科のなかま」と出て、タップすると正解候補を表示してくれる仕組み。気になる犬や猫の種類を調べる時にも便利そうですね。なお、現在提供はiOSのみとなっており、Androidは開発中との事。Android派は期待して待ちましょう。

<記事化協力>
のしぷさん(@noshipu)
Linne株式会社 杉本謙一さん

(梓川みいな)