親というものは子どもに対し、ついくどくど説教をしたりがみがみ怒ってしまったりしがち。その裏には「どうして私が何度も言っているのに思い通りにならないの?」という、イライラも見え隠れ。そう、子どもなんていつだって親の言う事なんて聞いちゃいないことが多いもの。でも、そんな子どもについ怒ってしまった後は「何でこんなに怒り過ぎたんだろう」の自己嫌悪を繰り返す母も多いハズ。筆者もその一人でした。そんな、子どものいいところを単語帳に記していくという子育てライフハックが話題になっています。

 この方法を紹介しているのは、プリキュア大好きなツイッターユーザーのモナ子さん。「これは我が家のこそだてライフハックなのですが… 娘を褒めたいこと、娘に感謝していること、娘を好きだって思うポイントを単語帳に書き集めています。 園児の頃、娘が泣いていてもこれを一枚一枚読み聞かせると泣き止んでくれました。今では『これを一生大事にしたい』と言ってくれています」と、その単語帳に書かれた内容を写真と共にツイートしています。

 単語帳に記されているのは、「いつも みんなに たくさんわらってくれて ありがとう」「あめの日に かさをひとりでもって あるけるようになったね」「ママのごはん おいしいっていってくれて ありがとう」「ママがおちこんでると ママはばかじゃないよって いって なでなでしてくれて やさしいね」という言葉。短い言葉の中に、娘さんができた事、嬉しかった事、感謝の言葉などが詰まっています。



 この方法をモナ子さんが始めたのは、娘さんが4~5歳くらいの頃。日記ではなく単語帳に記す事で、小さい子でも簡単に一つずつ見る事ができますし、その時娘さんに対して思った、発見した事をその場で記す事ができるというメリットも。そして子ども自身にとっても、自分が自信を無くしてしまいそうな時、この単語帳に書かれた誉め言葉やできた事を一つずつ目で確認する事で、自分が一つずつできた事を思い出し、自己肯定感を高める事ができます。

 実は、この方法、発達障害を持つ子どもにも大変有効。耳で聞く事が得意な子や、目で読むのが得意な子などに、この「褒め単語帳」を読み聞かせる方法は、目と耳で子どもに良かった点を伝える事で、発達の特性ゆえに失敗しがちな子どもの自己肯定感を維持する事に繋がります。

 筆者の二人の娘も、それぞれASD(広汎性発達障害)とAD/HD(注意欠陥・多動性障害)で、診断が下りるまでは親の私もどうしていいか分からず、ずっと怒りっぱなしだった記憶しかありません。集団発達検査でも保育園でも普通の子として見られ、小学校に入って初めて「他の子と違う」と指摘され診断されましたが、それでも今でも手探りの状態。園では片付けもお遊戯もできていたのに、何故かうちではできない……今振り返ると娘たちの特性ゆえの「できない」だったのですが、他の子となかなか比べる様な機会もなく過ごしてきてしまったがゆえに、何で指示が通らないのか、どうしてできないのかという気持ちばかりで必要以上に怒っていた様に思います。あの時に、この「褒め単語帳」の方法と、自分の子の特性をもっとよく理解していたら、今の娘たちはもっと変わっていたのでは……自信を無くさないで、自己肯定感の低い子に育つ事はなかったのでは……と、つい、思ってしまいます。

 筆者の話にそれてしまいましたが、小さいお子さんがいて、よく怒ってしまう、という人は、この方法、一度試してみて下さい。単語帳の1枚1枚に記された、「できた!ほめられた!」はずっと母の愛情の記録として残り、そして子どもの大きな心の支えになると思います。

<記事化協力>
モナ子さん(@yurupeco)

(梓川みいな)