公益財団法人 日本歯科医師会が毎年笑顔の素敵な男女を選出し、表彰する「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー」の授賞式が“いい歯の日”である11月8日に都内で行われ、2018年は浜辺美波さんと桐谷健太さんが選ばれました。

 日本歯科医師会が進める「いい歯は毎日を元気にプロジェクト」の一環として、1993年から毎年その年を代表する健康な歯と素敵な笑顔の持ち主を表彰する「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー」。健康な歯でいること、歳を重ねても口腔の健康を維持することは、食事がおいしく、会話も楽しく、そして表情も豊かになり、全身の健康につながります。

 2018年、そんな健康な歯と素敵な笑顔の代表に選ばれたのは、浜辺美波さんと桐谷健太さん。浜辺美波さんは鮮やかな赤のパッチワークワンピース、そして桐谷健太さんはダークスーツに蝶ネクタイという姿で登場しました。





 初対面のお2人は、互いの笑顔の印象を聞かれて「(浜辺さんの笑顔は)透明感があって……センチメンタル&ノスタルジック」と桐谷さんが答えれば、浜辺さんは「(桐谷さんの笑顔は)エネルギー溢れる感じで、こっちも元気をもらえるような感じです。毎朝見たいような」とのこと。

 互いにまじまじと顔を見合わせるような格好になったので、桐谷さんは照れつつ「……なんか胡散臭くありません?」と自分の笑顔について謙遜していました。

 自分の中で最高の笑顔を聞かれると、桐谷さんはアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロに登頂した時。感激のあまり笑顔を通り越して涙が出てきたそうです。浜辺さんはお正月以来で実家に帰省した時、久しぶりにお母さんの手料理を食べて笑顔になった時と答えていました。


 80歳までに歯を20本残して健康な食事をできるようにしよう、という「8020運動」にちなみ、お2人に14項目の「セルフチェックシート」をもとに歯とお口の状態をチェックしてもらいます。実は8020運動の成果で、80歳時点で歯が20本以上残っている人の割合が半数を超えているのに対し、20~30代の人では歯の健康状態に改善が見られないんだとか。2018年に日本歯科医師会が実施した意識調査によると、若い時から歯やお口の健康に気を付けておけばよかった、と後悔している人の割合が全体の4分の3にものぼったとか。若いうちから歯や口の中の健康を維持する努力が必要です。

 「間食(甘い飲み物や食べ物)をしますか?」の問いに、どちらも「はい」と答えたお2人。撮影現場には差し入れでお菓子が届くことが多く、休憩時間に控え室でつい手が伸びてしまうようです。でも、お2人とも食べた後は歯みがきをして撮影に戻っているとか。

 現在市販されている歯磨き剤は、ほとんどのものに歯を強くして虫歯を防ぐ働きのあるフッ素が含まれており、歯みがきを習慣づけることで虫歯に強い歯にすることができます。この時、最後に口をゆすぐ回数は少なくすることがポイント。あまり強く、回数や時間をかけてゆすいでしまうと、歯の表面にフッ素が定着する前に洗い流されてしまいます。また、歯みがきをしたら1時間くらいは飲食を避けると、よりフッ素が定着しやすくなるので覚えておくといいようです。

 また、定期的に歯科医を受診し、歯とお口の健康状態をチェックしてもらうことも重要です。桐谷さんは定期的に受診、そして浜辺さんも2~3か月に1回は受診するように心がけているとか。笑顔の写真で歯を見せることが多いだけに、昔のCMじゃないですが、“芸能人は歯が命”なんですね。


 このセルフチェックは、主に歯周病と虫歯を予防するためのチェックとなっています。会場では歯科医によるセルフチェックシートをもとにした相談コーナーも設けられていました。

 担当していた歯医者さんにお話をうかがうと、年齢を重ねると唾液の量が減り、歯周病や虫歯になりやすい環境になりがちだといいます。高齢者に多い誤嚥性肺炎(ものを飲み込む際にむせたことがきっかけで起こす肺炎)も、唾液の量が減っているために、スムーズに飲み込むための潤滑不足になってしまうことが要因に挙げられるとか。

 若い人でもアレルギー性鼻炎などで鼻が詰まりがちだと、どうしても口で呼吸することが多くなり、やはり口の中が乾きやすいとのこと。特に唾液の分泌量が減る寝ている際に口を開けていて、内部が乾いてしまうことが多いそうで、湿ったマスクなどをして口の中が乾かないようにするといいようです。

 歯ぎしりなどが気になる人は、全身に力が入って凝っていることが多いので、寝る前にストレッチをすることもいいそうですよ。筆者も定期的に予防歯科に通っていますが、口の中、歯の健康は最終的に全身の状態に及ぶ(歯のかみ合わせが悪いことで肩こりや骨盤のゆがみが起きることも)ので、普段から信頼できる歯医者さんを作り、まめに通って歯とお口の健康状態をチェックしてもらうようにするといいようです。

取材協力:日本歯科医師会

(取材:咲村珠樹)