ラベルやラッピング、壁の装飾など様々な用途に使えるマスキングテープ。今では柄も豊富にあり、貼って剥がせる手軽さから愛用している人が多く存在します。

 そんな数あるマスキングテープの中でも、縦に積み上げて貼ることで、まるで団地のような一つの柄ができる画期的なマスキングテープ「住宅団地マスキングテープ」がTwitter上で話題を呼んでいます。

 リプライでは「特撮のミニチュアに使えそう」「鉄道模型のモジュールとかにもいいかも」「壁紙とか襖紙にも良さそう」など、すでに目を付けている方も! さらに、「遊べる本屋」をキーワードに、書籍や雑貨、CD・DVDなどを販売しているヴィレッジヴァンガードでも商品化の企画が進行中とのこと。

 「商品化されたらとりあえず箱に貼って楽しみたいです(笑)」と嬉しそうに話してくれたのは、このマスキングテープ作者の宗像久嗣さん。以前はWEBデザイナーだったそうですが、現在ではWEB統括業務をしており、仕事ではデザインやグラフィックは一切行っていないとか。普段は趣味でイラストを描いてTwitterにアップしているそうです。宗像さんに創作するにあったってのテーマを伺ったところ「何かと別の何かを結び付けて、意外な・面白い・楽しいイラストを描きたいというテーマがあったりします」とのこと。

 宗像さん曰く「住宅団地マスキングテープ」を思いついたのは、団地や工場、高架下建築などの構造物を被写体として、多くの書籍を出版している通称”ヤバ景” フォトグラファー兼ライターの大山顕さんの奥さんが作った作品「団地スカート 」がTwitterで話題になったことがきっかけだったとか。「団地の窓が並ぶ様って面白い。何か絵に生かしたい」と創作意欲を刺激され、いくつか案を考えたそうですが、初めのうちはなかなか見せられるような形にはならなかったそうです。

 ところが最近、宗像さんの子供が夏休みの宿題でマスキングテープを使っていた時のこと。ふとその団地のことを思い出し、「団地×マスキングテープ」が結びつき、ネットで検索したら類似商品が見当たらなかったので、すぐに絵作りにとりかかったとか。「2日程度で作ったので、正直作りこみは甘いですし、ベランダもかなり雑にかいているので、一発ネタみたいな感じで面白がってくれればそれでいいと思っていたのですが、まさかこれほど反響があるとは全く思っていなくて…びっくりしています」と宗像さん自身もその反響の大きさに驚いているようでした。

 リプライでも建築物がまるごと描かれたマスキングテープはあるようですが、団地の外観の一部(ベランダ・窓)をそのままマスキングテープにするという、あまり思いつかないようなデザインにした理由を伺ったところ、もともとの起点が、団地の窓やベランダが整然と並ぶ様を生かしたいと思ったら自ずとこのような形になったとのこと。宗像さん曰く「箱に貼れば団地が出来上がる程度しか考えていなかったのですが、Twitterでは模型や建築の仕事につかえるという声を頂いており、そんな活用法もあったのかと驚いています」と本人も想定していなかった使い道が続々と発案されびっくりしているようでした。

 現在はまだ販売されていませんが、素材についてどのようなものが良いか聞いてみたところ「鉄道模型のNゲージなどで使いたいという声を頂いてますので、実際の団地の寸法にあわせた太さにできればと考えています」「商品化にあたっては寸法を計算して細かく調整したいですし、できるだけ生活感のある書き込みをしたいと思います」とのこと。

 最後に、今後どのようなものを作っていきたいですか? と伺ったところ「高層マンションとか、九龍城砦とか、住宅団地マスキングテープのいろんなシリーズが出来れば面白いと思っています。こうやってプロダクトを作るのも面白いですが、観た方が楽しくなれるようなイラストは今後も描き続けたいです」と語って下さいました。

<記事化協力>
宗像久嗣(Twitter:@munakata106/HP:https://epa2.net/)

(黒田芽以)