日本で最も有名なおとぎ話の一つである「桃太郎」。その桃太郎が現代に転生して繰り広げられる物語「桃源郷パラダイス」が、岡山県の協力のもと小説・舞台・実写映画のメディアミックスプロジェクトとして始動することになりました。

 もし桃太郎(吉備津彦)が現代に転生したら?という設定で、仲間たちと過ごす日々を描く「桃源郷パラダイス」。岡山県出身・在住の作家、岡山ヒロミさんによる小説がすべてのスタートとなりました。


 岡山市で古民家カフェ「桃源郷」の店主を務める吉備桃太郎(きび・ももたろう)。面倒見の良さと天然のトラブル引き寄せ体質のせいか、桃太郎のもとには様々な事情を抱えた客が訪れます。そんな桃太郎のコンプレックスは、ベタすぎる自身の名前。同じく名前によって苦労してきた幼馴染の大和尊(やまと・たける)は、現在は海外勤務であり、遠距離で友情を温める日々を送っています。カフェ「桃源郷」には、行き倒れていたのをうっかり餌付けした縁で、桃太郎になついてスタッフとして居着いてしまった犬養津与志もいて……という設定。ある日、店に不審な人物が現れることで、物語が動き始めます。

吉備桃太郎(左)と大和尊(右)

吉備桃太郎(左)と大和尊(右)

 この小説「桃源郷ラビリンス」が2018年8月7日に小学館文庫から発売。イラストはあづみ冬留さんです。いかにも世話焼きそうな表情の桃太郎と、クールなスーツ姿の尊、どんな物語が展開されるのか、期待が膨らみます。

 作者の岡山ヒロミさんからは「地元びいきで吉備津彦(桃太郎)と温羅の妄想を脳内で繰り広げていたところ、この度ご縁あってこのような形になりました。果報者です」とのコメントも届いています。

 ちなみに「温羅(うら/おんら)」とは、岡山県に伝わる「桃太郎」のモデルとされる「温羅伝説」で、孝霊天皇と倭国香媛(やまとのくにかひめ)の子で四道将軍の吉備津彦(桃太郎)に退治される古代の鬼(岡山県南部、吉備地方の支配者で大和朝廷に敵対していた人物と推定される)のことです。

 また、この「桃源郷ラビリンス」は、桃太郎伝説の舞台として知られる岡山県の協力のもと、2019年に舞台化と実写映画化が決定。どちらも主演の桃太郎役には、ミュージカル「刀剣乱舞」や舞台「文豪ストレイドッグス」など話題の2.5次元舞台に多数出演している人気俳優の鳥越裕貴さんがキャスティングされています。

 舞台「桃源郷ラビリンス」は、菅野臣太郎さんの演出・脚本で2019年春に上演予定。そしてヨリコ ジュンさんが監督する実写映画「桃源郷ラビリンス」は、2019年秋公開予定です。

 岡山県が協力してスタートするメディアミックスプロジェクト「桃源郷ラビリンス」は、公式サイトで舞台・映画のキャストなど、これからの情報を発信予定。公式Twitter(@tou_lab)でも次々と情報を伝えていく予定だといいます。現代に転生したイケメンカフェ店主、桃太郎の物語がどのように繰り広げられるのか、今後の動きに注目です。

(C)岡⼭ヒロミ / 桃源郷ラビリンス
情報提供:株式会社ダブルアップエンタテインメント

(咲村珠樹)