コンビニに入るとつい見てしまう、スイーツの棚。誘惑に負けて手に取ってしまう事もままある事だったりするのですが、中身に何が入っているのか分からなくて買うのをためらう、またアレルギーやアレルギーとは関係なしに食感が受け付けないものが挟まっているかもしれないのが怖くて買えないという人も中にはいます。そんな市販のスイーツですが、断面図に説明を加えたものがパッケージに記されており「誰にでも優しいデザイン」と話題になりました。

 「セブンイレブンのデザートのこれ、ほんとユニバーサルデザイン。自閉症には、おにぎりの具がわからないと怖くて食べられない子がいる。私もそうだった。高所やヘビ、クモのような恐怖に近い感覚だ。判明しているということは、選べるということ以上に、それだけで安心できるものなのだ。」とそのコンビニスイーツの写真を添えているのは、紫嶋桜花さん。

 紫嶋さんは、自身も発達の偏りを自覚されている一人。視覚的に見えない状態から見えている状態に説明が加えられているだけでも安心感が断然違う、という事です。

 このツイートには同じ様に、中身を上手く想像する事が苦手な人たちの共感を呼び、「わかる。」「材料やネーミングだけで想像付けられないから助かる」といった声が寄せられている一方、「小麦グルテンアレルギーでスポンジ生地が入っているとダメだから、こういう表示で判別できるのは助かる」という声も。

 文字の表示だけではピンと来ないけど、絵や図記号などを併用する事で理解度をあげる事ができるのは、街中などでよく見かける文字と絵記号を組み合わせた「ピクトグラム」表示の効果でよく知られていますが、では、このスイーツの断面説明がどのようにして採用されたのでしょう。ツイートとリプライで名前の挙がっているコンビニ2社に取材してみました。

 セブンイレブンの広報担当の方からは、「いつ頃からこの表示を行っているか資料がなく不明ですが、お客様にお買い上げいただく際に、中身が分かりにくい商品に関して断面図をつけさせていただいております。ツイートにご紹介頂いた商品以外にも中身の分かりにくいものに関してはこのような表示をしております」との話で、今後も中身の分かりにくい商品に関して、必要に応じて同様の表示を行っていくという事です。

 また、ファミリーマートの担当の方に電話で取材したところ、スイーツの断面イラスト図を商品に表示するようになったのは12~3年前からとの事で、「シュークリームなどの形状が同じものや、トッピングが上に乗っている、容器形状から中が見えないなどスイーツの外見だけでは何が入っているのか判断しにくい商品に関してこのイラスト図を採用しており、お客様に見た目からも美味しさをお伝えしたいという意図か込められています」という話でした。今後は、開発される商品にもよりますが、同様のイラスト断面図は採用していきますとの事です。

 2社ともここ最近から始めた表示ではなかった事が判明しましたが、アレルギーのある人にとっても発達の偏りで文字情報だけでは判断し辛い人にとっても、そうでなくても全ての人に分かりやすいデザインは「ユニバーサルデザイン」として受け入れられます。こうした取り組みが知られていく事で、今後さらに他の企業の商品にも拡大される事が期待されます。

<取材協力>
株式会社セブン&アイ・ホールディングス 広報センター
ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社 広報室 広報グループ

<記事化協力>
紫嶋桜花さん(@as_wwwit)

(梓川みいな)