酷暑の車の中、車内の温度は60度以上にもなると言われていますが、そんな中に炭酸飲料のペットボトルをうっかり置いてしまった場合……びっくりな形になってしまったという投稿がSNSで話題になっています。

 「ねぇ、車に放置したのは悪かったけど初めて見たわこんなの笑笑笑」とその変形っぷりに大ウケして、写真をツイッターに投稿したのはツイッターユーザーの「ゆん。」さん。ペットボトルは、500ml入りのコーラが入っていたものなのですが、うっかりこの猛暑のなか車内にしばらく放置してしまった結果、キャップの下の部分が膨らんでいてまるで風船を膨らませたかのように丸くなっていました。

 どうやら、熱された炭酸ガスがボトルの上の弱い部分に集中して膨らんだ模様。これを見た人たちからは、「雪だるまみたい」「以前にも同じ状態のものを見た事がある」「破裂しなくてよかった」という声が相次いでいます。

■ 実は怖い、ペットボトル爆発事故

 ペットボトルの爆発事故はざっと調べただけでも、国民生活センターに2004年には既に寄せられていたことがわかりました。未届けの事故や今回の様な破裂未遂も含めると現在までにさらに多くの件数があると推定されます。

 国民生活センターに寄せられた事案は、開封済みのペットボトルの中に雑菌が繁殖し、中で発酵した事でボトルが発酵でできた二酸化炭素の圧に耐え切れずに破裂した、というものですが、今回のゆん。さんのツイートの反応にも似た様なペットボトルの画像がリプライでいくつか投稿されています。

 夏場は雑菌が繁殖するには丁度いい温度となる事も多く、ペットボトルに口を直接付けて飲んだ場合、飲み物の中に混入した雑菌が糖分と反応して一気に発酵する事もあります。炭酸飲料のペットボトル自体は二酸化炭素の圧に耐えられる作りにはなっていますが、それは未開封の常温下での状態の話。未開封でも室温が60度や70度にまで達する、しかも直射日光を浴びる状態では膨張した二酸化炭素に耐え切れず大爆発を起こす可能性もあります。

■ スプレー缶の車内での爆発事故も車内が吹っ飛ぶ危険大

 制汗スプレーや日焼け止めスプレー、冷感スプレーなどのエアロゾル(エアゾール)製品には、可燃性のガスなどが使われているものがほとんどです。夏場はこれらの製品をよく使う人もいるかと思いますが、出先でも使いたいからと車の中にうっかり放置してしまうと、破裂や爆発します。

 また、エアコンの効いた閉め切った車の中や狭い室内でこれらの製品を使うと、スプレーで出た可燃性ガスが何かで引火する可能性もあります。このため国民生活センターでは「可燃性ですのでしめきった部屋や車の中などの狭い場所では換気をしながら使用してください」と使用上の注意を行っています。

■ 意外と読み落とされている注意書き

 こうしたペットボトル製品やスプレー製品には、必ず注意書きが書かれています。ペットボトルのラベルには、開封後は室温に放置しない様注意書きがありますし、スプレー缶には火気厳禁の注意書が必ずあります。しかし、意外とこうした注意書きを読まないで事故に遭う人は意外と多くいます。

 人間、ついうっかりは誰でもあるものですが、ケガなどが発生する事態になったり車の窓ガラスが吹っ飛んでからでは遅いのです。うっかりを回避するためにも、注意書きの通りに扱う事を心掛け、危険を回避する様心がけましょう。

<参考>
飲み残し清涼飲料容器の破裂による事故!~ペットボトルによる事故が増加~(PDF)_独立行政法人 国民生活センター
スプレー缶製品の事故に注意 (PDF)- 国民生活センター

<記事化協力>
ゆ ん 。さん(@d_vvq)

(梓川みいな)