数々のアニメや映画も誕生したタカラトミーの「トランスフォーマー」。自動車の変形ロボットはそのギミックのカッコよさもあって昔の子供から今の子供まで幅広く愛されていますが、もしも街中に突如トランスフォーマーが出現したら……。

 ある横浜のタクシー会社がタクシー車両で本当にトランスフォーマーを作ってしまい度々話題になっていますが、今度は「府中に現れた!」と騒がれていました。どういう事?

■横浜から府中営業所に「リアルトランスフォーマー」がお引っ越し

 このタクシー会社は、横浜市に本社があり関東一円にタクシー事業を展開している「三和交通」が制作したもの。最近、本部のある横浜から府中営業所に「リアルトランスフォーマー」が移動展示され、付近の住民からは驚きの声があがっています。

 ツイッターにも度々目撃情報が投稿されており、「近所の三和交通の前に トランスフォーマーいた」とその写真がツイッターに投稿されて話題になりました。

 このトランスフォーマー、いったいいつからあったのか、どういう理由で作られたのかすごく気になる……という事で、三和交通の広報担当の方に話を聞いてみました。

■三和交通の広報担当者に聞いてみた

 「こちらのロボットタクシーは2017年度の エイプリルフール企画として作られております。 ロボットタクシーの運行を始めます。と 偽のサービスとしてリリースさせて頂きました。 弊社の整備工場にて2カ月間の制作を経て 2017年4月17日から横浜の本社前に展示させて頂きました」と担当さん。エイプリールネタがまたしても……!

 今回横浜から府中に移動となったのは、2018年版エイプリールフールネタ車両「超脱臭!!絶対クサくないTAXI」を横浜で展示し、しばらくは2台展示していたもののスペースに限りもあるための事だとか。

2018年版タクシーと2ショット


額にはタカラトミー公認サイバトロンマーク

 全力でネタを作ったものの、2017年のエイプリルフールは土曜日ともあってニュースリリースを出してもなかなかメディアではヒットしなかったそうですが、街行く通行人の目を引きつけ、ツイッターで投稿される事も相次ぐこととなり、タカラトミーからは正式認定のお墨付きまでもらえたそうです。その時に贈呈されたサイバトロンマークがロボットの顔部分に現在取り付けられています。

■材料は廃棄処分の営業車!ナンバープレートも光るよ!

 このタクシーのロボット、材料は廃棄処分の営業車を組み立てたものだそう。同社の整備工場で廃材となった車両の部品を使って作られた100%リサイクル品。高級感あふれる車のロゴが頭部横に、額にはサイバトロンマーク、背中にはドアが2枚羽のように開いており、両肩と両足にはタイヤ、胸の部分はタクシーのフロント部分が生かされた作りになっています。さらに左手はクレーンゲームによくある掴む部分に、地面についた右手には座席が。これは……ダイレクトにスピードと風を感じられる仕様!!この座席に座って路上を移動している姿を想像するだけで笑いがこみあげてきそう。しかもヘッドライトはちゃんと光り、両目と肩のラインに仕込まれているライトも光るので、夜はライトアップもされるのだそう。ナンバープレートもばっちり光ります。

良く光っているロボットタクシー


ナンバープレートも良く光っています


型と顔面からスチームも出る

 それにしても巨大だ……実際の車のパーツをロボ変形させるとこんなに大きくなるのですね。変形前のタクシー車両と比べると一目瞭然です。左肩の部分、2階の窓の辺りまで来ていますし。この大きさを横浜から府中へ運んだそうなのですが……アニメのように自走したり飛んだりするわけではないのでここはトランスフォーム(解体・組み立て)させて移動に。

プレミアムタクシー「三和交通プライム」 左:変形前 右:変形後


ナンバーも府中仕様に

 この大きさなのでトランスフォームさせるのもかなり大がかりだったそうです。サンダーで切ってトラックに乗るようにしたり、府中に着いたトランスフォーマーを再び元の姿に戻すために再溶接したり……(どうやら着地に失敗した、という設定らしい)。この顛末は三和交通公式Youtubeにもアップされていますよ。

 三和交通はタクシー会社らしからぬぶっ飛んだ企画を次々と打ち出しており、ニコニコ生放送でゲーム実況や謎放送をしたり、心霊ツアーに全力をあげてみたり、ユルく柔らかく面白い事をいろいろやっていますので、気になった人はそちらもチェックしてみて下さいね。

<記事化協力>
サンワさん@三和交通さん(@sanwa_taxi)
匿名ツイッターユーザーさん

(梓川みいな)