ツイッターでひとの心に寄り添う漫画を発表し続け大人気となっている漫画家のさわぐち けいすけさん。そのさわぐちさん紹介の「うっかりエピソード」が「あるある」と話題になっています。

漫画ではさわぐちさん、洗濯機(今時珍しい2槽式)を回しつつキッチンの掃除をしたり、コーヒーのお湯を沸かす間に床を掃除したり、スマホで本を読みつつ料理をしたりと「~ながら作業」が多い様子。

 仕事が忙しい時期には常に何かを考えながら作業を並行している事も多く、ある時は仕事の段取りなどを考えつつ洗い終わった洗濯物を取り出し干しに行く……はずでした。が、何故か洗濯籠を持ったままトイレに。

「私はなぜ洗濯物を持ってトイレに……?」ふと我に返ります。

 忙しい時ほど謎のミス多発となってしまう様です。そんな自分に「むぅ~……」となっているところに奥さん帰宅。そして洗濯物を干し始めたさわぐちさんの後ろで奥さん、ある事に気が付きました。それは……。

 炊飯器の蓋が何故か開いていて、炊きたてだったはずなのに3時間を経過してかぴかぴになった炊飯器のご飯の痛ましい姿……。どうやらさわぐちさん、ご飯が炊けたかどうかをチェックした後、そのまま閉め忘れてしまった様子。

 大失敗にしばし茫然、そして「消えてなくなりたい」ほど落ち込むさわぐちさんに、奥さん「増えたね……伝説」と親指立ててグッ!怒らないでむしろやらかしたエピソードを面白がっているかのようにも見えますが、これはナイスフォロー。うっかりエピソードは語り継がれたくないでしょうけど、ナイスフォローは語り継ぎたい……。 ちなみに、乾いてしまったご飯は出汁を入れて雑炊にして食べたそうです。

 忙しい時は大概、用事(タスク)を複数個抱え込んでいる時であり、あれこれ考えながら用事を片付けようとするとこういった謎ミスを発生させてしまいます。さわぐちさんの場合も平行して複数の事を考えたり処理しようとした結果、謎ミスに繋がっています。

■「優先順位をつけて処理したらチェック」

 一日に複数のタスクを抱えている場合、あれこれやろうと頭の中だけでタスクの処理について考えていると、結局混乱に繋がってしまいます。忙しい時ほどミスが出やすいといわれているのはこのため。筆者も1日のうちに複数の仕事上のタスクを抱えつつ、家事など個人的なタスクを抱えていると頭がショートしそうになる時があります。看護師として病棟勤務していた時も、日勤で10人くらいの患者をその日の受け持ちとしてそれぞれ割り振り、巡視の時や検温の時に受け持ち患者の状態を観察して記録したり、話を聞いて要望を処理したり。これらを1日のルーチンの中で組み込んでいくので常にマルチタスク状態。

 よく先輩看護師から言われてきたのは「優先順位を考えて」という事でした。治療に必要な情報は最優先、直接命に関わらない内容はその次というようにまず大事な事を優先順位の上位にあげ、処理すべきことを書き出していくという感じです。頭の中だけで処理しようとすると重要な事が抜けて、下手するとクレームどころか医療事故にもなりかねないので、患者から得られた情報はその場でメモ、詰め所に戻ったらメモを一通り書き出して優先順位を割り振って、順に処理。できたか確認をするというのが基本行動でした。

 この「優先順位をつけて処理したらチェック」は日常生活のあらゆる場面で役に立ちます。期限があるものや自分が早めに動かないと人に迷惑がかかる様なタスクは優先順位の上に、後に回しても差し支えがないけど処理はしないといけないものは優先順位の下へ。順番を割り振る事でテンポよくタスクをこなす事ができ混乱を防ぐ事ができます。

 ちなみに、家事育児などのタスクは100均のホワイトボードに書き出しておくのも一案。書き出した用事に順番を振り、終わったら消していくだけ。冷蔵庫などの目に付きやすいところにタスク一覧を貼っておくとより確認しやすくなるのでおススメです。

 うっかり伝説を増やさない為にも、混乱する前にまず優先順位の整理を。一つの事をしながら他のひとつをする「~ながら動作」程度ならいいのですが、3つ以上のタスクの時は忙しさに飲まれる前に落ち着いて一つずつ片付けるようにすると楽ですよ。

<記事化協力>
さわぐち けいすけさん(@tricolorebicol1)

(梓川みいな)