災害は時を問わずやってきます。寒い時期に水害で寝具が満足な状態で使えなくなってしまった場合や、避難所で一人1枚ずつしか毛布が使えない時など、「毛布1枚だけで寒さを凌がなければならない」状況に陥る事があるというのは災害を考える時に想定できる事態です。そんな時に覚えておくとよい方法をネット上で見つけましたのでご紹介します。

 一般社団法人日本レスキューボランティアセンター救急担当である、JRVC救急アドバイザーさんのツイート。

 「もし毛布1枚で暖をとらなければならない状況になったら。
毛布の対角線上に寝て、足元を折り返し、左右の毛布で身体を包む方法をお勧めします。
救急活動で使う保温法(毛布1枚法)です。足と背中(接地面)を冷やさないことがポイントです。
体格や寝方によって、合わない方もいるかもしれませんが。」

と災害時に使える保温法をイラストともに紹介しています。

https://twitter.com/JRVC_EMT/status/972834590447484928

 なるほど、この方法は確かに体をしっかり包み込んで接地面を最小限に抑えられ、体温の放散を最小限にできる方法ですね!と、何かこの方法、既視感が……。これ赤ちゃんのおくるみの方法と一緒なのでは?どう抱っこしても暴れてギャン泣きしている時にバスタオルや赤ちゃん用ケットとかでくるむと不思議と落ち着いてくれたりする、あの方法。赤ちゃんの場合はふにゃふにゃな体を巻く事で安定させ、胎内にいた時の感覚に近い状態にしてあげる事で落ち着きやすくなるのですが、この方法は災害時の大人でもかなり使える方法なんですね。

 そしてこのおくるみ保温法、担架がない時の緊急時の搬送方法にも応用できるのだとか。病院、障害者施設や老人施設など、短時間にたくさんの動けない人を搬送しなければならない場合にベッドから床に敷いた毛布に動けない人を下ろし、くるんで固定して廊下を引っ張っていくやり方は背負ったり抱きかかえたりするよりも効率的に、かつ安全に避難口まで移送する事ができます。もちろん足元の状態にもよりますが、実行可能な状況下であれば、少ない人手で多くの人を避難させる方法として、非常時にはとても有用と言えます。

 災害は忘れた頃にやってきます。もしもの時の備えのひとつとしての知識、ぜひ覚えておきたいですね。

<記事化協力>
JRVC救急アドバイザーさん(@JRVC_EMT)

(梓川みいな / 正看護師)