いくら通い慣れた道でも背後から迫って来る足音には、警戒する人も多いはず。ましてや女性なら、なおさら身の危険を感じますよね。年々増え続けているストーカー被害ですが、平成27年のストーカー規制法の適応により「警告」をされた事案は、全国で3375件とか。前年に比べるとなんと204件も増加していたそうです。※

 そんなストーカーから、ゲーム「メタルギアソリッド」ばりのスニーキングミッションを見事成功させ、被害者を救出した岩飛猫さんの話がTwitterで話題を呼んでいました。

 当時、100円ショップで働いていた岩飛猫さん。その店内はといいますと、普段から感情むき出しで電話している人や、万引き、長い時間店員を拘束する人など、常にお客様の対応に頭を抱えるような職場だったそうです。

 そんなある日、一人の女子大生が泣きながら電話をしているところを目撃。店内でたまにこういう光景を目にする岩飛猫さんは、「彼氏との別れ話かな……」ぐらいにしかその時は思わなかったとか。

 すると突然、怯えた表情のその女の子が話しかけてきて「事務所とかに匿ってもらえませんか……?」と懇願。これは助けなければ!とっさ思った岩飛猫さんは、跡をつけてきているストーカーの服装をその子に確認し、陳列棚の影からストーカーの動向を見守ります。


 しかし、二人が隠れている陳列棚から事務所へ向かう最短ルート上に犯人が!ずんずんと距離を縮めてきます。
 「これでは鉢合わせしてしまう!」と窮地に追い込まれた岩飛猫さんは、とっさに女の子の手をつかみ、ゲームで鍛え上げたスニーキングスキルをポチっと発動。陳列棚の間を敵(ストーカー)に見つかることなく移動して無事、事務所に到着したそうです。


 その後、事務所にやってきた店長さんに事情を説明。ストーカーが店内からいなくなったのを確認したあと、女の子を駅まで送り届け、事なきを得たのでした。ちなみにその二人の後を心配性な店長が、(ばれながらも)こっそりついてきて見守っていてくれていたそうです。

 岩飛猫さんが女の子に聞いた話では、どうやら大学を出た後からつけられていたとのこと。当時周辺では若い女の子をターゲットに精液をかける男性がいると話題になっていたこともあり、特定の個人だけを狙ったストーカー行為ではない可能性もあったとか。その後、彼女が警察に相談したかは不明だそうですが「(犯人の)なにしろ目が怖かった」と仰っていました。何をされるか分からないので極力犯人に顔をあわさないよう心がけたそうですが、それでも「女の子を守らなきゃ」という一心でこのミッションを成功させたそうです。

 ツイートには「ゲームオーバーにならなくてよかった……(店長倒しそうだけど)」や、「勇気ある行動に拍手を送りたい」など、称賛する声と同時に、もしもストーカーに捕まってしまった場合を気にかけている声もありました。この春、新たな地で新生活を迎える人も多いと思いますが、どこでどんな人が見ているかはわからないので、常に身のまわりには十分注意したいものですね。

<記事化協力>
岩飛猫1/19おじょ犬三巻発売さん(@iwawotobuneko)

<参考>
※:警察庁「平成27年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」

(黒田芽以)