一見するとかわいい豚さんの絵本という知育玩具がツイッターに掲載され、話題になっています。

 「Reviboo」と名付けられた、この絵本型知育玩具。筑波大学芸術専門学群4年の髙松陸さんによる卒業制作です。


 制作したきっかけは、魚などと違って食肉は精肉加工された状態で流通しており、命を頂いているという事が感覚的に理解し辛い部分がある事と、髙松さん自身が体験した中学時代の経験に基づいているとの事。家畜工場への見学で見た光景が精神的に強く残る事となってしまい、ある種のトラウマ状態となってしまった事にも起因するそうです。と殺から解体、加工・精肉というプロセスは必要不可欠なものでありますが実際の場面を目の当たりにしてしまうと人によってはそれが心の傷となってしまう事もあります。

 髙松さんは、全ての生き物は生きるために命を頂いているという事、小さな子供でも分かりやすく伝えたいという思いを、この知育玩具を通して表現したかったという事です。食べる事で命をつなぐ、そのためには動物植物問わず他の命を頂いている。全ての命に感謝して、自然界の食物連鎖についても考えを広げるきっかけとなる知育玩具となるかもしれません。

 絵本状の玩具の中にある食肉部分には部位が印字されており、一つの料理として扱えるように付け合わせの野菜なども入っています。


 この形にこだわった理由を聞くと「子供は絵本などに身近に触れていますので、パタパタと直感で遊べる点、馴染みやすい点、からこの構造にしました」との事。決まった場所に決まった形を入れてしまう事ができ、持ち運びや扱いがしやすいのも幼児の玩具には必要ですよね。


 今回ツイッターでこの作品を発表した事で欲しいとの声も続出し、現役の子育て世代からの意見も出ているため商品化を前向きに検討しているとの事。今後クラウドファンディングも検討予定だそうです。今後は牛や鶏などシリーズ化していきたいと意気込みを語る髙松さん。生き物を食べる事とその命の尊さを視覚的・感覚的に楽しみながら伝わる形にしていく事は命の尊さを次の世代に伝える大人の課題ともいえそうです。

<記事化協力>
りくっちょさん(@Rikuccho1214)

(梓川みいな)