2018年1月31日(ドイツ時間)、エアバスは2017年12月第1週に、H145Mヘリコプター(川崎重工と共同開発したBK117の改良型)からのレーザー誘導ロケット発射試験に成功したと発表しました。

 これは多様なエアバス製のヘリコプターに装着できる兵装システム「HForce」のひとつ。70mmロケットランチャーから、フィットするタレス製のセミアクティブ式レーザー誘導ロケット弾「FZ275」を発射する試験を、スウェーデンのエルブダーレンにあるスウェーデン軍の試験場で行ったものです。

 カナダのL-3 WESCAM製複合光学センサー、MX-15Dを利用して照準を行い、発射したFZ275の射程は最大4500m。H145Mを軽攻撃ヘリコプターとして活用する際の重要な兵装となります。2017年10月、ハンガリーで行われた無誘導ロケット弾とガンポッドの発射試験に加えて、今回のレーザー誘導ロケット弾発射試験に成功したことは、実用化に向けての大きなステップとなりました。

Hforceの40mm・70mmロケットランチャーとガンポッド(Image:Airbus)

Hforceの40mm・70mmロケットランチャーとガンポッド(Image:Airbus)

 HForce兵装システムはH145だけでなく、より小型のH125(AS350B2エキュレイユの発展型)、大型のH225シュペルピューマにも対応するフレキシブルなもの。高価な専門の攻撃ヘリを用意しなくても、ある程度の攻撃能力を汎用ヘリコプターに付加することができますので、数を揃えやすい面があります。しかも任務に応じてアタッチメント方式の兵装を交換することができるため、より多くの場面に投入できるという特徴も。汎用ヘリコプターの汎用性をより高める、運用者からすれば非常に便利なシステムと言えます。

 今後H145Mに搭載するHForceのロケット弾とガンポッドは、2018年末までに最終試験を行い、レーザー誘導ロケット弾については2019年末までの開発終了を目指して試験を進めていく予定です。

 画像:Airbus

(咲村珠樹)