イスラエルの主力戦闘爆撃機、F-15I「ラーム(Ra’am)」が2018年1月に導入から20年の節目を迎えました。

 F-15Iは、F-15Eストライクイーグルのイスラエル向け派生型。1994年に21機(1995年に4機追加され、合計25機)の導入が決定されたのち、1997年9月12日に実機が初飛行。1998年1月19日、F-15とF-4にエスコートされた最初の2機が、イスラエルのハツェリム空軍基地に到着しました。愛称の「ラーム」とは「稲妻」の意味です(同じように稲妻の愛称を持つF-35ライトニングIIは、イスラエルでは「素晴らしい」の意味を持つ「アディール(Adir)」の愛称になった)。

 F-15Iは第69飛行隊「ハンマーズ」で運用され、2006年のレバノン侵攻(イスラエル側では「第2次レバノン戦争」と呼称)ではヒズボラへの地上攻撃で重要な役割を果たしています。また、2008年〜2009年のガザ紛争でも、ハマスへの夜間攻撃など、その能力を発揮しました。

 導入から20年となり、イスラエル空軍は将来にわたって能力を維持するための近代化改修計画(MLU)を検討しています。新しいレーダーへの換装や電子戦能力の付与など、内部が刷新される予定であり、導入が進むF-35と車の両輪となって、イスラエル空軍の重要な戦力として活躍が続くことでしょう。

PHOTO:IAF

(咲村珠樹)