2017年11月下旬からアメリカ、アラスカ州のアイルソン空軍基地で、ノルウェー空軍向けのF-35A用特別装備であるドラッグシュート(制動用パラシュート)の試験が行われています。

 このドラッグシュートは、着陸時に氷結した滑走路でも安全に停止できるよう、オプションとして用意されたもの。F-35計画に参加しているノルウェーなど、冬季に滑走路が凍結する場所で運用されることになる国では必須ともいえる装備です。

 今回アラスカ州のアイルソン空軍基地で行われている試験は、2段階に分けて行われるドラッグシュート運用試験の第1段階。ノルウェー空軍からもテストパイロットのアムダル少佐が参加して行われています。

背部にドラッグシュートを装着したF-35(PHOTO:Lockheed Martin)

背部にドラッグシュートを装着したF-35(PHOTO:Lockheed Martin)

 ドラッグシュートの収納部は、機体の背部、垂直尾翼に挟まれる位置に作られています。高さもキャノピーより低くされており、レーダー波が直接当たらず、F-35の優れたステルス性を損なわないよう工夫されています。

 年明けからは、実際に凍結した滑走路で安全に着陸できるか、このドラッグシュートを用いた着陸試験が同じくアイルソン空軍基地で予定されています。

※PHOTO:Lockheed Martin

(咲村珠樹)