無人航空機(UAV)の普及が進んできましたが、まだまだその操縦を習得するのは時間がかかり、簡単に導入するという訳にはいきません。しかしこのたび発表された、アメリカ海軍の研究機関が民間企業と開発した無人機改修キットでは、わずか15分で操縦が可能になるといいます。すごい!

 無人機改修キットを開発したのは、アメリカ海軍の研究機関「アメリカ海軍研究局(ONR)」と、ボーイング傘下の民間企業「オーロラ・フライト・サイエンシズ」。アメリカ海兵隊の自律式航空輸送ユーティリティシステム(AACUS)計画の一環で開発されました。

 現地時間12月13日、アメリカのバージニア州にある海兵隊クワンティコ基地で行われたデモンストレーションでは、機首にカメラやレーザーセンサーなどを装着したUH-1H(AEH-1)ヘリコプターが、操縦者の持つタブレット端末で飛行する様子が公開されました。どのようなヘリコプターにも適用可能だというこの改修キットでは、大掛かりな機体改造の必要がなく、通常通りパイロットが搭乗して操縦することも可能だそうです。今回のデモンストレーションでは、不測の事態に備え、パイロットが搭乗してモニター役を務めました。



 このキットで改修された無人機の操縦は、タブレット端末で簡単に行えるとのこと。誰でも15分ほどの訓練を受ければできるようになるそうです。

 アメリカ海兵隊では、危険な前線への航空輸送による撃墜やパイロットの消耗を最小限にするため、現場の兵士が簡単に使えるこの無人操縦システム「AACUS」の開発を推進してきました。5年にわたる開発計画の最終段階であったこのデモンストレーションが成功したため、これからは海兵隊に移管され、実戦配備のためのプロセスに移行することになります。

※PHOTO:U.S.NAVY

(咲村珠樹)