11月25日、茨城県土浦市のエアショウで、レッドブル・エアレース王者の室屋義秀選手が、久々の2機編隊によるフライトを披露しました。

 このエアショウ「FLY AGAIN TSUCHIURA」は、今年創設60周年を迎える土浦青年会議所が主催するまちおこしイベント。室屋選手のエアショウをメインに、地域の味覚の提供、警察、自衛隊の広報展示、地元の高校、大学のサークルによる発表や、タレントのキンタロー。さんのお笑いライブも行われました。

 室屋選手のエアショウは2013年から行われ、以前から2機編隊によるショウの要望が主催者側からあったそうですが、今回ついに実現。黄色と黒のブライトリングカラーに彩られたエクストラ300L(JA111E)には、レッドブル・エアレースで室屋選手のチームコーディネーターを務めるロバート・フライさん、そして上面シルバー、下面ブルーのカラーリングに、レッドブル、FALKEN、AVIREXのロゴが入ったエクストラ300S(JA11DB)に室屋選手が搭乗し、会場となった土浦市、霞ヶ浦上空に現れました。

 室屋選手の2機編隊によるエアショウは、かつてフライさんと組んで行なっていた「チーム・ディープブルース(エクストラ300Sの登録記号、JA11DBの末尾は「Deep Blues」の頭文字)」以来、およそ10年ぶり。久々の復活となりました。

 2機は編隊での宙返り(ループ)やハンマーヘッド、ループと360度ターンを組み合わせた演技、また大空に大きなハートマークを描く「ビッグハート」などを披露。

 単独ではフライさんのナイフエッジローパスや、室屋さんによる降下しながらの連続スナップロール「ムロヤ・ホイール」、また、トルクロールやラムシェバックなどの垂直系のエアロバティックを披露しました。



 締めくくりは、航空自衛隊ブルーインパルスで知られる「コークスクリュー」。そして2機による編隊ローパスで最後の挨拶をしていきました。

 室屋選手とフライさんによるエアショウは、午前と午後の2回実施。その合間には、石塚政秀さんが所有する零戦22型の復元機が柳田一昭さんの操縦で飛来。予科練ゆかりの地、「同期の桜」にも歌われた霞ヶ浦上空を数回旋回して去っていきました。会場のすぐそばには、海軍土浦航空隊(予科練)の跡地である陸上自衛隊土浦駐屯地(武器学校)があり、その隣には予科練に関する資料などを展示した、阿見町立予科練平和記念館があります。

 エアショウ終了後には、室屋選手を迎えたトークショーが行われました。レッドブル・エアレース千葉大会で会場MCを務めたRIBEKAさんの司会で、今シーズンを振り返りました。トークショーの終わりには、室屋選手のサイン入りグッズのプレゼントも実施。会場にはレッドブル・エアレース千葉大会を現地観戦した方も多く、年齢、性別を問わない幅広い層に受け入れられていることが判ります。

 また、室屋選手のグッズ販売コーナー横ではサイン&握手会も実施。だんだん日が傾いてくる中、ずらりと並んだ多くのファンひとりひとりに丁寧に応対していました。

 現在カリフォルニアで進められている、来シーズンに向けての機体改修は佳境。クリスマスまでには完成し、年明けにはテストフライトを実施して、2月の開幕戦(アブダビ)に備えるとのこと。ディフェンディングチャンピオンとして迎える室屋選手の2018年にも注目したいところです。

(咲村珠樹)