2017年10月11日、霧島山の新燃岳が2011年9月7日以来6年ぶりに噴火しました。噴火は10月17日を最後に発生しておらず、火山性微動も10月21日を最後に観測されていませんが、今でも霧島周辺の観光地では、宿泊予約のキャンセルなど、影響が色濃く残っています。

 そんな観光客が減少した霧島地域を救うため、鹿児島のローカルヒーロー『薩摩剣士隼人』が立ち上がりました。公式Facebook等を通じて霧島の現状と魅力を発信しています。

 投稿には薩摩剣士隼人公式では珍しく「拡散 シェアしていただけたら嬉しいです」がつけられ、「新燃岳が活動して霧島地区の観光産業はキャンセルが相次ぎ現段階(11月頭)での損失額が2億5千万円になる」ということや、地元の観光産業の人たちから「霧島は元気です!」というメッセージを託されたといった内容が投稿されていました。

 新燃岳噴火は多くのメディアで取り上げられました。しかし、その後についてはあまり広く知られることはなく……。今回どうして情報発信することになったのか……そのいきさつなどについて、『薩摩剣士隼人』の生みの親である外山雄大監督にお話をうかがいました。

Facebookの投稿を拝見しましたが、これを伝えるに至った経緯について教えていただけますか

「以前鹿児島県観光課に霧島市から出向で来てて、ぐりぶー物語(編集部注釈・鹿児島県のキャラクターが登場するローカルドラマ)を一緒にやった方が現在霧島市役所の観光課にいらっしゃいまして、その方から霧島の現状を聞いて僕のフェイスブックで記事を書いてくれないかと、相談がありまして。せっかくなので、薩摩剣士隼人と一緒に霧島地区をレポートしてきました」

●実際に霧島地域に足を運んでみて、監督の印象はいかがでしたか?

「鹿児島はまだまだ暖かいので、紅葉は今からが見頃です。観光客は以外と多かったのですが、ほとんどが鹿児島県民でした」

●鹿児島県や、同じく県内に霧島山が含まれる宮崎県の人は、連日新燃岳の状況が報道されて、現状を把握できてますものね。これからの『薩摩剣士隼人』としての支援活動については?

「出来るだけ霧島地区の素敵な写真をアップしていけたらと思います」

●最後に、皆さんに向けてのメッセージをお願いします。

「鹿児島県民は桜島をはじめ火山とともに暮らしているので、全くの日常で噴火したら嬉しくなるくらいです。霧島は地表から噴き出す白煙をはじめ火山に慣れてる鹿児島人の僕でも、そのパワーにテンションがあがります。今からは紅葉も楽しめます。道端に野生の鹿がたくさんいます。是非レンタカーを借りて遊びに来てください!」

 鹿児島県は毎日の天気予報で「桜島上空の風向き(降灰予想)」が伝えられるほど、火山を身近に感じて生活しているところでもあります。現在の霧島山・新燃岳に関して気象庁が発表している噴火警戒レベルについては「レベル3(火口からおおむね2km以内の立ち入り禁止」となっています。これはどれくらいの範囲かというと、新燃岳への登山道周辺のみであり、一般道や周辺の観光地(各温泉地や、宮崎県のえびの高原など)は規制範囲から1km以上離れており、影響はありません。

新燃岳の噴火警戒レベル(画像:気象庁)

新燃岳の噴火警戒レベル(画像:気象庁)

 また、監督のインタビューにもあるように、霧島山には野生の鹿が生息しており、すぐ近くまでやってきて人なつっこい姿を見せてくれます。

 薩摩剣士隼人の霧島地域におけるこれからの活動ですが、11月23日に霧島山麓の宮崎県側、宮崎県小林市の「こばやし秋まつり」で薩摩剣士隼人ショーを行う予定です。詳しくは『薩摩剣士隼人』公式サイト、および公式Facebookページをご覧ください。

(咲村珠樹)