公益社団法人・日本栄養士会は、国民一人一人に栄養についてより広く認知・理解してもらうことを目的として、2017年から8(エイ ※エイト)4(よー)となる8月4日を「栄養の日」、そしてこの日を中心とした8月1日~7日を「栄養週間」と制定しました。

記念すべき初年度の「栄養の日」を前にした8月2日、栄養をとおして健康で充実したライフスタイルを送り、幅広く活躍した著名人を表彰する「84(栄養)アワード」、そして現代の栄養の諸問題と向き合って、その解決のため様々な活動を行い、日本中に元気を与えた管理栄養士・栄養士を表彰する「84(栄養)セレクション」を発表するPRイベントが都内で開かれました。

映えある第1回「84(栄養)アワード」を受賞したのは、俳優の谷原章介さん。これまでにも様々な料理バラエティ番組で司会を務め、プライベートでは6人のお子さんを育てるお父さんでもあります。

日本栄養士会の小松龍史会長から記念のトロフィーを授与された谷原さんは「僕自身、料理を主としたなりわいをしている訳でなく役者なんですけども、様々な料理番組……4月からも『(谷原章介の)25時ごはん』(TBS系)の司会をさせていただいていて、それがきっかけになったのであればとても嬉しいですし、これからも頑張って、家族のためにおいしいご飯を作っていきたいと思っています」とコメント。

また、現代の栄養の諸問題と向き合って、その解決のため様々な活動を行い、日本中に元気を与えた管理栄養士・栄養士を表彰する「84(栄養)セレクション」には、以下の個人・団体が選ばれました。

日本栄養士会会長賞
江頭文枝さん(地域栄養ケアPEACH厚木代表・管理栄養士)
カレーの街よこすか事業者部会

伊藤園賞
熊本県栄養士会JDA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)

ゼスプリ賞
こばた てるみさん(しょくスポーツ代表取締役・公認スポーツ栄養士・管理栄養士)

受賞者の皆さん

受賞者の皆さん

表彰式の後に行われたトークセッション。谷原さんは普段から栄養のバランスに気をつけ、1日の中でメリハリをつけて各栄養素をとるようにしているそうです。また、6人のお子さんは2歳から14歳と幅広い年齢にまたがっているうえ、谷原さんのお父さん、奥様のお母さんと3世代同居となっているので、味の好みなどが違うそう。そのため、食卓には肉、魚、濃い味付け、薄い味付け、奥様が好きなサラダなど、毎回5種類くらいの料理が並ぶということです。豪華であると同時に、支度も大変そうですね。

また、休みの日などは、谷原さんが昼食や夕食で腕をふるっているとか。谷原さんが作った料理のいくつかを写真に撮って紹介してくれました。夏場は、酸味をいかに取り入れるかがテーマだと語ってくれました。


そして管理栄養士の菱沼未央さんが登壇。「栄養の日・栄養習慣」特設サイトで紹介されている夏の栄養習慣おすすめレシピの中から「スマイルなまったまごはん」を谷原さんが実際に作ってみることになりました。ご飯の上にきゅうり、キムチ、しらす干しに納豆、さらに生卵を落とした、サッパリしつつもスタミナたっぷりのメニューです。このメニューに使われている食材は、どれも必須アミノ酸のトリプトファンが豊富に含まれているもの。トリプトファンは精神安定作用のある神経伝達物質のセロトニン、睡眠ホルモンのメラトニンの生成・分泌に欠かせないので、朝に食べることで結果として入眠しやすく、日中の疲れを取りやすくするんだそうですよ。

谷原さんが卵にゴマ(目)とヒジキ(口)で描いた顔は「末の娘をイメージした」そうです。

また、表彰式に先立って行われた、日本栄養士会の名誉会長、中村丁次さんの講演では非常に興味深い話がありました。いわゆる食べる量を加減した「腹八分目」は、年代によっては必ずしも健康的ではないということ。カロリーをはじめとした栄養摂取を制限した食事は、成人期における肥満や生活習慣病の予防には有効だけども、小児期や成長期では成長や体の基礎づくりを妨げたり、高年齢期においては骨粗しょう症などフレイル(老化による心身の活力低下)予防の妨げになるという研究結果が出たんだそうです。この年齢期には十分な栄養摂取が大事なんですね。
暑いので、どうしても簡単なもので済ましてしまいがちな夏に、栄養のことを考える「栄養の日」ができたのは、時期的にとてもいいかもしれません。


(咲村珠樹 / 画像・編集部撮影)