GoogleMapではストリートビュー機能を使うと、その道から見えるパノラマ風景がありありと映され、まるでそこを歩いているかのように楽しむことができます。

 撮影隊の機材は車に自転車、徒歩と様々あり、基本的に需要と人が立ち入り可能な場所であれば撮影しているようです。そんなGoogleストリートビューを使い「かつての遊郭地帯」を探訪する遊びが話題になっています。

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■豪華絢爛な遊郭建築を今に残す飛田新地の「鯛よし百番」

 その中で最も驚かれているのが、大阪府大阪市西成区にある飛田新地。かつては飛田遊郭だった場所が、1958年の売春防止法施行以降、料亭街となった場所で未だ独特な雰囲気をもつエリア。街中は昔から撮影禁止とされ、ルールは現役と言われています。

 この場所には、古くからの風俗文化が色濃く残っており、あちこちに古い建物がひしめきあっています。特に知られるのが、大正時代に「遊郭百番」として建てられた現在の「鯛よし百番」。現在では寄せ鍋や会席料理を振る舞う料亭として営業しています。街中は撮影禁止なものの、ここだけはよくネットや雑誌で紹介されています。(見出し画像が鯛よし百番です)建物は大正時代に遊郭として建てられた当時をそのまま残しており、内装は豪華絢爛。建物内に入ると、かつてこの場にいた遊女らの存在をわずかでも感じることのできる貴重な場所となっています。なお、この建物は2000年に国の登録有形文化財に指定されています。

■元遊郭地帯には各地域それぞれに「色」がある

 大阪は飛田新地以外にも4つの松島、信太山、今里、滝井の新地が有名です。飛田新地が一番規模が大きく、メインの通りの南北に並行な通りが数本あり料亭が軒を連ねていました。中にはお店の様子が窺えるものも。料亭の隣に民家があったりもして日常風景が垣間見えることも。しかし、一見して小ぶりな料亭が連なる街並みはやはり新地独特な風景でした。

 一方で、大阪市西区にある松島新地は道がもっと広く、幾本もの道が交差する真ん中に大きな料亭があり、それぞれ伸びる道に料亭が並んでいました。

 信太山新地は古い建物が目立ち、滝井新地は料亭自体が小さく民家っぽいつくり。今里新地は風俗街が近くにあり、スナックや料亭が混在しています。

 大阪から脱出し、兵庫県に足を伸ばすと有名なかんなみ新地があります。大阪の新地のようにお店の名前が書かれた看板はなく、室外機がやたらたくさん目立つ建物が、数十メートルの間に結構な数ひしめき合っていました。

 遊女の街と言えば、東京の吉原。ここもストリートビューでばっちり見ることができ、建物に時代の移り変わりを感じながら思わず探索してしまったのは言うまでもありません。でも直接行くのはかなり躊躇われるので、こうしてGoogleストリートビューで探検するぐらいがちょうどいいのかもしれませんね。

※画像はGoogleストリートビュー「鯛よし百番」前のスクリーンショットです。

(貴崎ダリア)