世の中にはうなぎのエキスが入った「うなぎコーラ」、強烈な香りを漂わせる「ドリアンサイダー」など俗に言う「キワモノ炭酸飲料」が多数存在しています。

 そうした飲料が話題になるたび入手し、試飲レポートをおとどけしてきましたが、今回なんとキワモノ炭酸飲料を得意とする西のメーカー「有馬炭酸力」自ら、コンタクトをとってきました。本稿ではその試飲レポートをお届けいたします。

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 有馬炭酸力のある有馬温泉では古くから炭酸の温泉が噴出し、日本初のサイダーと言われる「有馬サイダー」や「炭酸煎餅」が名物。そんな炭酸のメッカと言われる場所に、有馬炭酸力は炭酸のセレクトショップとして存在しています。取り扱う種類は全国から集めた約90種。もとは他メーカーの炭酸商品のみを取り扱っていましたが「いつかはオリジナルを!」の野望を胸に、ついに商品開発へ。今回はその中から「自慢の3品」を送ってもらいました。

 なお、ステマでしょ!という声が聞こえてきそうなので、最初に書いときますが、一円ももらってません。商品が面白そうだったので、今回の案内に乗ってみました。念のための事情説明です。

■個性的すぎる「神戸ステーキサイダー」→飲み込むことを体が拒否した

 1品目は「神戸ステーキサイダー」(420円税別)。もう名前からしてパンチがすごいです。

神戸ステーキサイダー

 同社によると、「オリジナル商品を作るならこれまで話題になったキワモノサイダーを超える一番個性的な商品を」と考え開発したそうです。その結果、店内約90種の中で最も個性的で、発売以来トップセールスを維持する人気商品になったとのこと。

 人気上位……それを聞いてネーミングから受ける抵抗感が少し薄れた気分に。さっそく蓋をあけてみると……ステーキソースというか、焼き肉のたれというか、ニンニクがまざったようなあの香りが漂います。この瞬間、一時は上がったテンションが一気に下がり始めました……。なお、色味はコーラとさほどかわりなく、とにかく匂いが強烈。

神戸ステーキサイダーの色合い

 とりあえず覚悟を決めて一口ごくっ……りできない!体というか筆者の舌、味覚、口の中全てが全力で飲み込むのを抵抗します。先に来る塩気、あとからおいかけるソーダの味に強烈なソース臭。しばらくすると舌にじんわりひろがる肉のうまみのような味わい……

「まっずううううううううううううううううううううううううう」

 これが素直な感想です。すみません、完敗です。良いこと一切言えません……筆者は敗北しました。これまで色んなキワモノ炭酸飲料を飲んできましたが、間違いなく歴代1位のキワモノぶり。しかもぶっちぎり1位です。

 こ、これが有馬炭酸力の力なのか……。怖すぎる。一応、良い点を無理矢理探して紹介すると「罰ゲームには絶対に向いている」とだけは言い切れます。

▼試飲した編集部員の生の声
・Kさん:この会社はどうしてこれを作ろうと思ったの!?(半切れ)
・Fさん:うわああああああああああああああああ
・Oさん:焼き肉のたれ飲んでる気分になった
・Iさん:いくらネタとはいえ、これはない……宮崎(筆者)も何故書こうと思った。何故飲んでみる気になった?

■気を取り直して発泡酒の「パクチープライム」

 1番目から歴代1位のキワモノ炭酸飲料を選択した後悔から一瞬続けるのをためらいましたが、何とか気合いで次に……。

 お次は有馬炭酸力が販売で、製造は新潟麦酒株式会社の「パクチープライム」(580円税別)。ラベルに他社の名前があるだけで何だかほっとするものを感じます。(神戸ステーキサイダーには有馬炭酸力しか書かれてなかった)

パクチープライム

 栓抜きで蓋を開けて匂いを嗅いでみると……。発泡酒の中にほんのり葉物の香りを感じます。あれ、パクチーの独特な香りではない……でも嫌じゃない!これは嫌じゃない!香りの時点では大いに「あり!」です。

 グラスにそそぐと何か黒い物体も一緒にでてきました。何かのかけらのようです。ラベルをみると、「パクチーや酵母等が沈殿しております」と書いてあります。安全上は問題がないそうなので、そのまま試飲へ。

かなり濁ってる

 味はというと「あり」。ただ確実に好みは別れるはずです。最初のインパクトは発泡酒そのまま。口に含むとじんわり苦みと渋みを感じ、後から鼻に抜ける葉物の香り。手元にある資料によると入っているのはパクチーの種ではなく「パクチー葉」になるそうです。パクチーが嫌いな人にも受け入れられるよう香りの強さを調整しているのだとか。

 筆者もパクチーは苦手なほう。でもこれに関して言えばさほど香りは気になりませんでした。好みがあえば「こくのある発泡酒」「苦みのつよい発泡酒」にも感じるのではないでしょうか。料理との相性ですが肉料理、特に焼き肉との相性がよさそうです。

▼試飲した編集部員の生の声
・Kさん:個人的には好きかな。葉物の香りがさわやかだけど苦みのある少し癖のあるビール。
・Fさん:うーんん。さっきよりマシだけど、葉っぱ臭い匂いがね。苦手。
・Oさん:飲める。某観光地で飲んだ酵母が沈殿してる地ビールに似てる。
・Iさん:パクチーが苦手だからなー。まぁでも飲めないことはないよね。

■どろソース入りの発泡酒「どろくろ」

 ようやく来ましたラスト!ということでさくっと頑張ります。

 最後を飾るのはオリバーソースの「どろソース」を混ぜた「どろくろ発泡酒」(580円税別)。ネタとして面白いだろうと考えて作り始めた試作品が予想以上に美味しくしあがり、ダメ元でオリバーソースに商品化を打診したところ、「意外にも許諾を得られた」とのこと。の……ノリでつくったのか……。

どろくろ

 こういうエピソードを資料でよみつつ、びくびくしながら蓋を開けてみます。こちらも製造は新潟麦酒株式会社で販売元が有馬炭酸力です。香りは……あれ?普通の発泡酒だ! 神戸ステーキサイダーの経験があるので、もっとソース臭がきついかと思っていましたが、ほとんど感じません。あれ、ラベルにも「どろソース使用」ってあるのに?と思いつつ口に含んでみると……まさかの「うまい!」。有馬炭酸力やればできるじゃないか!

黒ビールに近い

 でもやはり口に含むとわずかにソースの香りが感じられます。ただ嫌ではない!簡単に説明すると苦みをこくの強い「黒ビール」。ソースの香りもそれに近く感じます。香辛料の香りを効かせたスパイスビールにも近い感じ。お好み焼き、たこ焼き、串揚げなど関西名物グルメにぴったり合いそうな風味です。これまでの流れがあったので、ほんとこれにはビックリしました。

▼試飲した編集部員の生の声
・Kさん:美味しいと思う。癖がより強い黒ビールって感じかなあ。
・Fさん:限定ビールにも似たのあるよね。濃くと苦みが強いやつ。
・Oさん:どこかで飲んだことある風味。一番美味しい。
・Iさん:これは美味しい。

 さて、今回は自ら名乗りをあげた有馬炭酸力の商品を紹介しました。紹介したそれぞれは店舗販売および直接通販が基本となるそうです。欲しい方はお店で直接買うか、通販を利用してみてください。お店の住所は神戸市北区有馬町798湯本ビル2階となっています。

有馬炭酸力製品3種

(文:宮崎美和子)