今回は、DMMが配信しているブラウザゲーム『御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~』(通称・城プロ)をご紹介します。本作は2014年11月11日に『御城プロジェクト~CASTLE DEFENSE~』というタイトルでサービスを開始。

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『御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~』公式サイトトップより。

【概要】
・実在したお城を美少女に擬人化したキャラクターである城娘(しろむすめ)が多数登場する
・プレイヤーは、戦場に来襲してくる敵の大軍を迎え撃つため、城娘を適切な位置に配置する
・戦場に配置された城娘はほぼ自動で敵と戦ってくれる

 システムを再構築するため2015年4月27日に一旦サービスを停止。そして2016年3月29日にタイトルを『御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~』に改題して正式に再開しました。リニューアル後のストーリーは、関ヶ原の戦いの時代に九州から日本列島を横断するストーリーとなっています。

御城プロジェクト 日本列島

では、城プロの魅力とは何なのでしょうか?本稿では、それを探るヒントとして、まず『ナショナル劇場 水戸黄門』を見てみたいと思います。『水戸黄門』が日本全国の視聴者から長年に亘って愛された理由は幾つかあるでしょうが、その中の1つに「水戸黄門一行が諸国を漫遊し、視聴者が住んでいる藩を訪ねる」ことへの喜びがあるのではないでしょうか。
とは言え、ご存知の方も多いと思いますが『水戸黄門』は京都で撮影しているので、俳優が地方の名所でロケした回は数える程度しかなく、名所は登場しないか或いは資料映像のようなものが流れてナレーターが紹介するのみだったりします。このように『水戸黄門』はハード面ではご当地感を出せなかったことからソフト面でご当地感を出す戦略を取っていました。
即ち、水戸黄門一行が地元の名物とされる食べ物を食べたり、地元の名産品とされる工芸品を作る職人を訪ねたりするのです。オープニングタイトルクレジットに着目すると、「協力 ○○」と地元の団体がクレジットされることもあります。例えば第22部第28話「響け正義の御陣乗太鼓」では「協力 石川県指定無形文化財 御陣乗太鼓保存会」とクレジットされています。このご当地感こそ、『水戸黄門』の魅力の1つでありました。

 近世の日本を旅するというシチュエーションは、テレビゲームの世界では『がんばれゴエモン』シリーズに踏襲され、更に城プロに継承されることになりました。

御城プロジェクト 讃岐

さて、ここからやっと城プロの話題に移るのですが、城プロの魅力もまた『水戸黄門』と同様にご当地感にあると考えられます。

 城プロは前述の通り諸国を漫遊するストーリーであり、城娘が登場する訳ですが、この2つの要素を効果的に組み合わせているのです。即ち、登場キャラクターが実在した律令国(律令国というのは、『艦隊これくしょん』でもお馴染みの長門、陸奥、加賀、伊勢、日向とかいった行政単位です)を訪ね、訪問先に実在したお城をモチーフにした城娘に遭遇し、ステージクリア後、更にその城娘が仲間になるという展開を辿るのです。ただ単に城娘が登場するのではなく、土地と関連付けられて登場することで、ご当地感を増しています。プレイヤーにとっては自分が住んでいる律令国や地元のお城が登場すれば嬉しい気分になるのではないでしょうか。また、城プロは郷土史に関心を持つきっかけを提供しているとも言えます。
そのような効果をもたらす城プロの魅力こそ、ご当地感であるというのが本稿の結論です。

(文:コートク)