上野動物園のパンダが発情期に入ったため2月4日から展示が休止されたというニュースが話題になっていましたが、どうして発情期に入ったら人間の目に晒されないようにするのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

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生きものたちの秘められた性生活

 人間の女性だと排卵日前後には「ホルモンバランスが不安定になる」「精神的に不安定になる」「感覚が過敏になる」などありますが、パンダの場合はどうなのでしょうか。それに「パンダはセックスが苦手」とも言われていますがそれが理由?

 そんな疑問の答えが綴られている『生きものたちの秘められた性生活』という書籍が各メディアで取り上げられ話題になっています。

 これは動物学を専門とするエッセイストのジュールド・ハワードの著作で、パンダに限らずカエル、トンボ、競走馬などあらゆる生きものたちの性生活について詳細に観察し記録したもの。他にも、ティラノサウルスなど恐竜たちの性生活についても触れているそうです。

■「パンダはセックスが苦手論」に異を唱えた本書

 地球上に約3,000頭しか生存していないと言われているパンダ。このパンダたちはなぜこんなにも減ってしまったのか。イギリスの大手新聞は「それはパンダはセックスが苦手だから」と書き立てました。

 それについて本書の中では、「パンダはセックスが苦手なわけではなく、あなたが見たことがあるどの動物と比べても、とくに遜色のない“自主参加率”を誇っている。すなわち10割。それどころか、世間一般の“得意”“不得意”の基準に照らすと、パンダはセックスがかなり“得意”な部類に入る気がする」と述べ証拠を示し反証。さらに冒頭の「動物園のパンダはなぜ非公開にしなければならないのか。」という疑問も、本書の中では解き明かされているそうです。

■人間以外の性の営み

 人間以外の性の営みで身近なものは犬や猫ですが、例えば犬だったら性衝動ゆえのマウンティングなどを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。それから、アメリカのプレイボーイ社のマスコットとなっているウサギについても、性欲が強いからという理由でチョイスされたというのはあまりに有名です。

 けれど生きものたちは人間と同じ言語を介さないため、意思の疎通がある程度できるかもしれませんが、なかなか「どうして君たちの性行為/性衝動はそんなふうなの?」なんて聞いても明確な答えが返ってくるわけではありません。

 言葉を話さない生きものたちの秘められた性生活について、謎を解き明かしたい方はぜひ一度本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

【書誌情報】
書名:生きものたちの秘められた性生活
著者:ジュールズ・ハワード 訳者:中山宥
発行:株式会社KADOKAWA/角川学芸出版
電子版希望小売価格:1520円+税
紙本定価:1,900円+税

(文:貴崎ダリア)