年末年始の慌ただしい時期。パーティー続きで、胃がもたれてる。もしくは風邪のひき始めで食欲がちょっと……。という方は多いのではないでしょうか。

 私の生まれ故郷、鹿児島県枕崎市周辺には、胃や体がちょっと疲れた時、そして二日酔いの日や風邪のひき始めに良く飲まれる「茶節」という伝統料理があります。

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茶節

 使用するのは、鰹節、お茶、味噌(麦味噌)が基本です。好みによっては、そこに刻みネギ、体力を付けたいときには卵1個を投入して飲むなど、地元では体力回復以外にスタミナ剤としても飲まれています。

 鰹節は成分の約77%がタンパク質で、人間の体内では作ることができない必須アミノ酸が多く含まれています。特に「疲労回復」「集中力向上」「肝機能向上」の効果があるリジンが豊富。そのため鰹節には体力回復効果があると言われています。

 そこに抗インフルエンザ作用や抗菌作用のあるカテキン、二日酔い防止のカフェイン、そして肌や粘膜に良いとされるビタミン類を多数含んだお茶と、鰹節と同じく必須アミノ酸を多く含む味噌を入れて飲むわけですから体に効かないわけはありません。いつから飲まれ始めたかはわかりませんが、今では「伝統食」と呼ばれているので、きっとかなり昔から飲まれていたのでしょう。 先人の知恵が詰まったものなのです。

 さてその茶節、次から実際のつくりかたを紹介していきましょう。

■つくりかたは簡単

【今回使用したカップ】
・コーヒーカップ(150cc)

【材料】
・味噌:10g
・お茶:大さじ1
・鰹節:2g
・トッピング:好みでネギ、ショウガ、生卵

【手順】
1:カップに鰹節、味噌を入れる
2:熱々のお茶を注げば完成

材料、今回は薬味でしょうがをいれました

材料、今回は薬味でしょうがをいれました

 材料も手順も基本これだけです。ただ分量は諸説あるので、今回用意した普通サイズのコーヒーカップにあう量を実際はかって掲載していますが、ためすときには量りながらやるのは面倒なので、次から大体の目安も紹介します。

 まずお味噌ですが、普段ティースプーン小盛り2杯ほどいれます。これをグラムにしてみると約10g。好みや味噌の種類によっては濃すぎたり薄すぎたりする場合があるので、あくまで目安として、実際作るときには自分の味覚を信じ微調整してみてください。そしてお茶は個人的に濃すぎるのは嫌いなので、大さじ1杯程度で今回入れています。

 鰹節については、小分けになった1パックまるごとという方もいますが、パックには4gと2.5gのものがあり、4gだとマグカップにはちょうどよくても普通のコーヒーカップには多すぎます。今回は4g小分けを想定して半分の2gにしてみました。2gの目安は小皿すり切りより軽く少ない程度。2.5gはすり切りだったので、コーヒーカップであれば1袋そのまま入れてもいいかもしれません。 なお、手だけで量る場合には指先だけで軽く2つまみ程度です。

左が2g、右が4g

左が2g、右が4g

 味噌、鰹節をカップに入れて、熱々のお茶を注げば完成。人によっては鰹節のダシをだすために1~2分そのまま置いてから飲む人もいます。すぐ飲んでもかまいませんが、確かに数分置く方が味がしみて美味しいです。時間があればぜひ置いてから飲んでみてください。

味噌と鰹節を入れた状態

味噌と鰹節を入れた状態

(文:宮崎美和子)