以前『紅の豚』の陶器製蚊取り線香入れをご紹介したので、今回は焼き物つながりで『風の谷のナウシカ』より、1988年に発売された磁器製彫像「風の唄」フルセットをご紹介。

【関連:#19 関係者配布の『紅の豚』蚊取り線香入れ】

三体勢ぞろい

種類としては、当時に発売された「彩色済」「彩色ナシ」の2種類に加え、ナウシカのDVD発売にあたりコレクターズボックスなどの限定版にコチラのフィギュアの「復刻版」を加えた全3種類になります。DVD発売の時には、このナウシカフィギュアについて広告で下記のように謳っていました。

「宮崎駿監督が監修し映画公開当時に発売した陶器製のナウシカフィギュアを完全復刻!」

それではジブリグッズコレクターというあまりにも偏った観点から(笑)「風の唄」と「復刻版」の大きな違いについて今回は検証してみましょう(笑)

まず1番最初に気づくのが、謳い文句に問題が…「映画公開当時」と謳うのであれば、せめて公開した年いっぱいかな~と個人的には思うのですが、実はコチラが発売されたのが1988年。「映画公開してから4年も経ってるじゃん!」なわけで(笑)こちらはこの発売当時のフィギュア雑誌「ANIMATION GOODS CATALOG」からわかります。

ANIMATION GOODS CATALOG

そして見た目で気づくのがナウシカフィギュアの大きさの違いです。左の大きい方が「風の唄」のフィギュアで、右の小さいのが「復刻版」です。高さ的には約2.5センチ~3センチぐらいの高さの違いがあります。次にナウシカのフィギュアの立つ角度にも違いがあります。「復刻版」の方は「風の唄」に比べてかなりナナメに反っている立ち方をしているのがわかりますね。ナウシカの長銃の角度を見ても明らかです。さらに細かいところを言わせていただくと、ナウシカの腰に下げているポーチの彩色に違いがあったりなど彩色関係にも大きな違いが見受けられます。

立ち位置比較
腰の剣の彩色の違い

次は人形の命ともいえる「顔」の違いです。左の「風の唄」は鼻筋が通っていて顎周りもスマートな印象、着色の個体差もありますが、復刻版に比べて表情のある顔立ちになっています。(風の唄のフィギュアは全体的に服のシワなどの彫りが深く、「復刻版」に比べるととってもリアルなつくりになっています。)目は両方ともにかなり丁寧に描きこまれ(個体差はありますが)、白目もちゃんと描かれていますね。小さいながらも目のハイライトまでもキレイに描かれております。(個体差でかなりムラがあります)

風の唄 表情
復刻版 表情

べ、別にスカートの中を覗こうってわけじゃないんだからねっ!(汗)最後に決定的な違いがジオラマベースの底の部分にあります。見ての通りなのですが、「風の唄」の方には穴が開いており、「復刻版」の方には穴が開いておりません。
それと「風の唄」の方はナウシカの文字シールが貼ってあるだけで、「復刻版」にはNibarikiの印がありますね。
このようにグッズ一つを取っても、いろんな違いを見つけられるのもグッズ収集の楽しみの一つでもあります。

底面

もしかしたらあなたの持っているグッズも、調べてみたらレアモノだった!なーんてこともあるかもしれませんね。

それではまた次回をお楽しみに~。

(文:非売品ジブリグッズ収集家 くろすけ/@kurosuke4313