サムネイル毎度マイペースな話題をお届けしております「無所可用、安所困苦或」でございます。さて私のライターネーム「エドガー」の由来については連載開始時にご紹介いたしましたが、先日、そのエドガー・ポーツネルの274回目の誕生日を祝う会がありました(非公式)。今回はお宝満載でありました誕生会のレポートをお届けいたします。

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今年で四回目となるこの会、そもそもは「萩尾望都原画展」で出会ったメンバーが中心となり、誕生日に合わせて、エドガーになぞらえたお茶会をしようということで始まりました。またmixiでは5月12日に合わせたエアオフ会(5月12日になったら各自でエドガーの誕生日を祝う)というのをやっており、これと合流することになりました。

一回目は秋葉原カルチャーカフェ・シャッツキステにて開催。このときは開催自体思いつきに近かったので、人数もよくわからず、連絡を取ってくださった幹事も私ではありませんでした。今思えば予約のできないシャッツキステに運良く入れたものです。
二回目はポーの一族作中の「一週間」という作品をイメージして新宿御苑で屋外お茶会。初めて関西からの参加者もお迎えし、雨が降ったらどうしようとドキドキでしたが幸いお天気には恵まれ、でも風が強くて大変でした。夜は新井薬師にある声優・朴璐美さんのお店シーラカンスで二次会。なぜここかというと、朴璐美さんはラジオドラマでエドガー役になられ、当時最新のエドガーのイラストが店内に飾られているのです。ここで大いに盛り上がりまして、関西からご参加の方には最終の新幹線に乗るためにダッシュしてもらう結果に。
三回目は自由が丘セントクリストファーガーデンにて、いかにも英国なアフタヌーンティーとして開催。大変雰囲気のよいお店で、ほぼカップルばかりの中に盛り上がる私達というやや特異な構図になってしまいました。
以上昨年までは「紅茶しか飲まない」ポーの一族になぞらえてティータイム開催をしていたのですが、今回は初めてティータイム以外にランチを含めて、渋谷東急インのレストラン・ハシュハシュにて開催しました。
エドガーをはじめポーの一族は基本食事はしないわけですが(詳細はぜひ作品を御覧ください)、ここは皆さんポーの一族や萩尾望都作品の話で盛り上がりながらハシュハシュの美味しいランチを楽しみまして(ローストビーフ!)、最後の紅茶(うっかりコーヒーを注文したのはワタシです)が出たところで、いよいよ持ち寄ったお宝登場です。

[お宝写真1:トーマの心臓連載時の扉絵]

トーマの心臓連載時の扉絵

お宝にもいろいろあります。萩尾望都原画展で販売された版画……はさすがに持ち込めませんが、原画展で販売されたグッズ(会場によって販売されなかったものや即完売したものもあります)のほか、雑誌の表紙や付録など、どれも大変です。
特に、単行本等に収録されていないイラストや雑誌の付録などは、見たことがないものばかりで、よくとっておいてくれました、と感謝の念に耐えないお宝です。また何気なくとっておいた雑誌がいまや貴重品になっていたり、これを読んだ時にどうだった~という話で盛り上がったり。
ポーの一族掲載当時の雑誌の切り抜きをきれいにスクラップされている方もいます。そうしたスクラップブックを回覧したり、25年前の雑誌を回覧したり。アイロンプリントなどもあり、これを実際にプリントした人はいるんでしょうかね?などと盛り上がります。

[お宝写真2:今や貴重な雑誌の付録たち]

今や貴重な雑誌の付録たち 今や貴重な雑誌の付録たち
今や貴重な雑誌の付録たち

中には少女漫画雑誌以外の切り抜きもあります。この記事読んだな~という記憶のあるものも。25歳の頃の萩尾望都先生の紹介や、劇団夢の遊眠社と組んだ時の記事なども出てきました。更には香水の広告に萩尾望都が詩を添えたときのものなど、今のように情報は検索すれば出てくるという環境ではない頃に、ここまでアンテナを張られていたのは正直すごいという感想しか出てきません。そしてそれを保存し整理しておく。日々の何気ない活動も時間が経てばお宝です。

[お宝写真3:こんな記事もキャッチされてます]

こんな記事もキャッチされてます

これらのお宝は三十年くらい経過したものもあるのですが、皆さん保存に気を使われているのでどれもきれいで、ほとんど色あせしていないのがすごいところです。
お宝をひとしきり拝見し終わると、作品の話題になります。エドガーの誕生日という触れ込みではありますが萩尾望都先生ご本人の誕生日でもあり、他の作品にも話題が広がります。また原画展も複数箇所で行っているため行かれた会場が異なることがわかり、次回はそれぞれの会場で売り切れてしまったグッズを持ち寄ろうかという事になりました。
作品の話題になると出てくるのが「グレンスミスの呪い」という話題です。これは漫画家・今市子さんが、ポーの一族シリーズの「グレンスミスの日記」という作品について、もっと長いと思っていたのに24ページしかない、と語っているというもの。どういうことかはぜひこの一編を読んで実感していただきたいところです。

会場に無理を言って長時間席を取っていただいたのですが、気がつけばそろそろ終了時間。誕生会は終了となりました。
集まるのは年に一度だけですが、この会を始めるまでは、私を含め皆さんこれまであまりポーの一族・萩尾望都を原点としたつながりはなかったとのことで、非常に大事な集まりになっています。中には5月のこの周辺は明けて待っているという方もいて、幹事としては嬉しい限りです。
来年は土曜日にして、夜はまたシーラカンスで「三番目くらいに新しいエドガー」を拝見して、また盛り上がろう~ということになりました……が、すでにカフェ・シーラカンスは閉店しておりました。うむ、早くも試練だ(笑)。
来年はまたどんなお宝が出てくるか、お楽しみです。

(取材:エドガー)