下駄毎度ファッションネタだとアクセスが伸びないな~やっぱりおたくな人にはウケないのかなと考えております「無所可用、安所困苦哉」でございます。今回はファッションと言っていいのかどうか微妙ですが、下駄についてのおはなし。

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下駄


下駄にもいろいろありますが、今回は最もポピュラーな下駄、いわゆる「ゲゲゲの鬼太郎」や「R・田中一郎」が履いているタイプの、二本歯の下駄を扱います。
下駄、ワタシには馴染み深いもので、叔父が愛用しておりました。それに影響されて、ワタシもすっかり愛用者になってしまいました。しかし最近では洋服に下駄という人はすっかり見なくなってしまいました。今一度、下駄のいいところを見直したいと思います。

○いつ下駄?
基本、カジュアルでよい日であればいつでも下駄です。浴衣だから下駄、ではなく、何着てても下駄です。雨でも下駄ですが、濡れた下駄は滑る場合があるので注意が必要です。
ただ、足袋をもっていないので、冬場は下駄を履けません。この冬は足袋をひとつくらい用意したいなと思います。

○なぜ下駄?
まず、夏場は足が蒸れません。サンダルよりも蒸れません。また歯の高さがありますので、他の人から踏まれるリスクが低くなりますので、素足でも安心です。また桐の下駄は、サンダルよりも軽い場合があります。あと、個人的感想ですが、下駄の音が好きです。

○下駄=安い、のか
そうでもありません。
台と歯を別に作っている下駄は安いです。つまり、下駄を横から見たときに、台と歯の間に継ぎ目があるものは安価です。
桐の一枚板を切り出した下駄は、木目の具合次第ですが9000円~15000円くらいします。歯が別になっている場合は2000円~4000円くらいです。
かつては、歯を別にしている下駄は歯が取れるようなことがあったようですが、今はほとんどありません。材質はやはり桐が軽く歩きやすく良いと思いますが、継いであっても桐は桐です。じっくり見なければ気が付かないような部分ですので、気にしなければ歯が別なものでも十分かと思います。

○下駄は引きずって歩くのか
下駄を鳴らして~という感じだと、引きずって音を出している感じがありますが、歯が不均一に減る可能性があるためあまりおすすめしません。まっすぐに足を下ろしても、アスファルトならばちゃんと音がします。

○注意が必要な場所
まずはエスカレーター、特に下り。金属と下駄は相性いまいちです。歩くと滑りやすく危険です。エスカレーターに乗るなら止まりましょう。
次は幅の狭い階段。特に降りる時は、斜めにしたり横にしたりしないと降りづらいです。ハイヒールの女性の苦難を想像できます。
そして、タイル貼りの斜面。ビルの前等にあったりします。これが非常に滑ります。ワタシはこのタイル貼りの斜面を下る時、最も慎重になります。

○鼻緒は切れないか?
下駄歴もうすぐ10年になりますが、鼻緒が切れたことはまだ一度もありません。昔のマンガとか落語とかにはよく出てきますが。材質・技法の向上によるものではないかと思われます。

○どこで買う?
ワタシも最初はわかりませんでした。ワタシが子供の頃は商店街の「履物屋」で売っていましたが、「履物屋」は軒並み「靴屋」になってしまいました。今は和装小物を扱う店で見かけますが、比較的大きな店でないと種類はあまりありません。結局、一番簡単なのはネット通販ということになります。
ネットの場合、困るのはサイズです。下駄にはあまりサイズのバリエーションがありません。かかとが少しはみ出るくらいが良いとされますが、そう都合のいいものばかりではないので、多少の妥協は必要です。これは店舗で買ってもあまり変わりません。専門店でもなければ、女性用の着物用の下駄は多くあっても、男性用の下駄はあまり揃っていないことが多いです。

○一本歯下駄
天狗のような一本歯の下駄を何度か見たことがあります。これは目立ちます。階段とか斜面とかは二本歯以上に難しそうですが、目立ちたい貴兄にはぜひ挑戦してほしい一品です。

○その他
浴衣以外の服装で下駄で出歩くというのは、どうやら希少な存在になってしまいました。都内で電車に乗っていて、車内で下駄は自分一人なんてことはしょっちゅうです。またデパ地下に寄りたいな~と思ったら、デパート1階の高級ブランド店の前とか化粧品売場とかを下駄で歩ける強靭な精神?が必要です。カジュアルな服装にはたいていマッチしますが、さすがにスーツには合わないですから、そのくらいのTPOは考慮する必要がありそうです。
また、あまり長い泊まりがけの旅行も微妙です。足が蒸れたり浮腫んだりしないのはいいのですが、ずっと鼻緒を挟んでいるのと、クッションがないので、脚が疲れてきます。

いいものにしようと思うとそこらへんの革靴より高くなってしまいますが、ほどほどのお値段で買えて良い所も多い下駄、秋になってもまだまだ履けます。下駄の音を立てながら街を歩いてみませんか?

(文:エドガー)