「うちの本棚」、今回取り上げるのは永井 豪によるコミカライズ作品『ちびっこ怪獣 ヤダモン』です。

テレビアニメ初期の作品をコミカライズした永井 豪初連載作品でもあり、ヒゲゴジラが登場するあたりも必読です。


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本作はピープロ制作のテレビアニメ『ちびっこ怪獣 ヤダモン』のコミカライズ作品で、原作はうしおそうじ(アニメのクレジットでは原案)。永井 豪の初連載作品にあたるが、デビュー自体が本作連載開始直前の1967年11月号の「ぼくら」(『目明かしボリ吉』)だった。

アニメ作品の方は全体の内容が確認できないのではっきりしたことはいえないが、ヤダモンが南極で発見された卵から生れること、猫が苦手でお菓子が大好き、日本の大矢田家に飼われているという基本設定の上で自由に描かれたという印象がある。というのも後に永井 豪の有名キャラクターとなる「ヒゲゴジラ」がコミック版オリジナルキャラクターとして全編にわたって登場していたりするからである。その意味ではアニメのキャラクターを使った永井 豪オリジナル作品といってもいいのかもしれない。

ヤダモンは体長80センチながら炎を吐くうえに、おなかのボケットからプロペラを取り出し頭の角に取り付けてヘリコプターのように飛ぶことが出来る。後年『ドラえもん』で使われるアイデアに先行していたといっていいだろう。

内容は単純に言ってドタバタギャグで、ヤダモン自身をめぐっての追いかけっこなどがメインとなっている。初連載という気負いは感じられず、生き生きとしたタッチで描かれているのは永井 豪の才能だろう。

単行本は始め若木書房の「コミックメイト」から刊行された(単行本のタイトルは「ちびっこ怪獣」が省略され『ヤダモン』)。このシリーズからは永井 豪の初期作品がいくつか刊行されていたが、そのほとんどがそのまま再刊行されないままレアアイテムとなっていたが、本書を含むいくつかのタイトルは99年にメディアファクトリーから再刊行された。

最初の単行本では「まんが王」に掲載された『電撃四郎イナズマ作戦』『ちびっこ刑事(デカ)ちゃん』が、メディアファクトリー版では「小学一年生」に掲載された『なぞなぞぼうやXくん』『かいじゅうはかせポコペンちゃん』が併録されている。
 
初出/講談社「ぼくら」(1967年12月号~1968年7月号)
書誌/若木書房・コミックメイト(昭和45年10月10日)
   メディアファクトリー・永井豪華版(1999年4月1日)

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/