『しゃばけ』対談写真4月20日(土)から赤坂ACTシアター他で上演される、沢村一樹11年ぶりの舞台『しゃばけ』。

原作はシリーズ累計550万部を突破する畠中恵さんの同名小説。
実写化という面では、2007年にNEWSの手越祐也さんを主演にフジテレビ系列でテレビドラマ化されているが、舞台化はこれが初。


【関連:畠中恵のファンタジー時代小説「しゃばけ」、沢村一樹主演で初のミュージカル化!?】
 
その舞台初日を目前に、原作者・畠中恵さんと、今回舞台化で脚本・演出を担当する鄭義信さんのスペシャル対談が実現した。

本稿ではその対談の全てをお届けしたい。
 
――『しゃばけ』待望の舞台化!主役の沢村一樹さんも意欲満々です。

●畠中:沢村さん、カッコいいですよねぇ。原作の設定より、かなり年上の若旦那なので、どうなるんだろうと今から楽しです。

●鄭:今回は若旦那の年齢も、松之助が兄ではなく弟という設定も、原作と違います。殺陣やアクション、歌や踊りもふんだんに出てきますから。気持ちは『踊る狸御殿』です(笑)。

●畠中:歌や踊りで表現するって、面白いですよね。私は友人に宝塚ファンがいるので、麻実れいさんのおたえさんが、とても楽しみで。

●鄭:麻実さんとはぜひ一度ご一緒したかったので、引き受けていただいて、僕も嬉しかった。麻実さんには重要な役割をお願いしているので、ここは見物です!

――『しゃばけ』になくてはならない、妖たちはどんな感じに?

●鄭:おどろおどろしくというより、人間に近い、でも、ちょっとどこか違うかな?という存在感にしたい。僕は勝手に幕末の設定にしたので「ええじゃないか」の声が聞こえたりします。本当にここは江戸?みたいな不穏な空気の中にいると、犬神や白沢、鈴彦姫など妖たちはかえってイキイキすると思います。

●畠中:私も幕末を舞台にした小説を書いているので、その空気はよくわかります。

●鄭: 『しゃばけ』は、人が殺されたり、ミステリーの面白さとともに、根底には体が弱い若旦那をみんなが助けながら生きていくという優しいテーマがある。幅広い年代の方たちに観ていただきたいですね。

●畠中:原作に対してお葉書をいただくと、親子二代、三代で読んでいますとか、周囲の仲間で回し読みしてますという方が多い。びっしりと感想を書いてくれる方も多いんです。

●鄭:感想をもらえるって嬉しいですよね。愛読者の方々のお芝居の感想も知りたいです。

●畠中:鄭さんも俳優さんですから、出演もされたら?

●鄭:いやいや、僕は実はアガリ性で無理(笑)。脚本と演出に徹しますから、よろしくお願いします!
 
【原作者/畠中恵】
漫画家アシスタント、書店員を経て漫画家デビュー。その後、都筑道夫の小説講座に通って作家を目指し、2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞して小説家としてデビュー。「しゃばけ」シリーズは、シリーズ累計580万部を突破。2002年にはラジオドラマ化、2007年にはフジテレビ系列でテレビドラマ化されている。他にも『まんまこと』『つくもがみ貸します』『こころげそう』『アコギなのかリッパなのか』『アイスクリン強し』『こいしり』『若様組まいる』『ちょちょら』『こいわすれ』『けさくしゃ』などの作品がある。また、エッセイ集に『つくも神さん、お茶ください』がある。

【脚本・演出/鄭義信】
93年に『ザ・寺山』で第38回岸田國士戯曲賞を受賞。その一方、映画に進出して、同年、『月はどっちに出ている』の脚本で、毎日映画コンクール脚本賞、キネマ旬報脚本賞などを受賞。98年には、『愛を乞うひと』でキネマ旬報脚本賞、日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第一回菊島隆三賞、アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞など数々の賞を受賞した。さらに平成13年度芸術祭賞大賞を受賞した『僕はあした十八になる』(01/NHK)などテレビ・ラジオのシナリオでも活躍する一方、エッセイ集『アンドレアスの帽子』なども出版。近年では『焼肉ドラゴン』『鴨川ホルモー』『Duet For One』『アジアン・スイーツ』と話題作を生み出している。『焼肉ドラゴン』では第8回朝日舞台芸術賞 グランプリ。

<アトリエ・ダンカン プロデュース『しゃばけ』公演概要>
しゃばけ表面メインビジュア原作:畠中恵『しゃばけ』(新潮文庫刊) 
脚本・演出:鄭義信
出演:沢村一樹、臼田あさ美、宇梶剛士、高橋光臣、マギー、山内圭哉、麻実れい ほか

東京公演 2013年4月20日(土)~29日(月・祝) 赤坂ACTシアター
大阪公演 2013年5月7日(火)~12日(日) 新歌舞伎座  
金沢公演 2013年5月15日(火)金沢歌劇座

【公式HP】http://www.duncan.co.jp/web/stage/shabake/index.html
【公式ツイッター】@shabake_stage

(取材・文:ペリー荻野)