毎度モブキャラ的話題をお届けしております「無所可用、安所困苦哉」でございます。今回は先日開催されました鉄道模型運転会についてのレポートをお届けいたします。

毎年行われております「こだわりの運転会」という鉄道模型の運転会です。テーマを決めて、車輌も時代もそれなりにこだわって、実物と同じくダイヤを書いて、ダイヤにのっとって鉄道模型を走らせようという会でございます。

今年は幹事さんが多忙によりユルい開催となりましたが、ちょっと変わった出し物がございました。それは「京浜急行をプラレールでダイヤ運転」というものです。

まず京浜急行について説明致しましょう。
都内は泉岳寺駅から品川、京急川崎、横浜、金沢文庫、横須賀中央を通りまして浦賀までの本線と、途中京急蒲田から分岐して羽田空港へ至る空港線、京急川崎から分岐して川崎大師を経て小島新田へ至る、京浜急行の創業の地でもあります大師線、金沢八景から分岐する逗子線、堀の内から分岐して京急久里浜、三浦海岸を経て三崎口へ至る久里浜線から成っています。詳しくは各自地図をごらんください。
泉岳寺では都営浅草線と繋がっており、浅草線内はもちろん京成線にも相互乗り入れしており、成田スカイアクセスを経由して成田空港まで行く列車もございます。相互乗り入れ区間である品川~羽田空港間では、京浜急行、京成、都営、北総と、多様な車輌がやってきます。
大師線以外の各線は、本線と直通運転を行なっています。前述の相互乗り入れを含め、運転形態はとてもバラエティ豊かで、概ね次のように分けられます

・品川~浦賀、三崎口間(普通列車と、都営線に直通しない快速特急、特急。品川を12輌編成で出発した三崎口行快速特急の後ろ4輌が金沢文庫から浦賀行になるパターンもある)
・京成・都営線内~羽田空港間(エアポート急行、特急、エアポート快特)
・京成・都営線内~三崎口間(快速特急、特急)
・羽田空港~逗子間(エアポート急行)
・羽田空港~逗子間、但し京急川崎~金沢文庫は快速特急に併結(特急)
・京急川崎~浦賀間(普通)
列車種別(普通、エアポート急行、特急、快速特急)と、運転区間を組み合わせると、とても多様です。

今回、この多様な運転形態を、プラレールで再現しようという試みが行われました。

レールに流れる電気を手元で加減して運転する鉄道模型に対し、プラレールは個々に電池とモーターを積んでいます。ですから、手元で制御することができません。列車の制御は、プラレールのレール部品「ストップレール」という物を使い、動力車の下にスペーサーを入れて車体を浮かせて停車させます。
走行方向は一方向に限られており、戻ることはできません。終点では、プラレールのレール部品「∪ターンレール」を使い、編成ごとくるりと回してやる必要があります。これらを考えながらダイヤ作成や配置を考えなければなりません。

また、プラレールは連結器が簡易的な構造のため、連結できる向きが決まっています。さらに先頭車と後尾車の正面には連結器がないため、つないだり離したりと増解結がある京浜急行の運転を再現するには、何らかの方法で正面同士の連結をできるようにしなければなりません。
いろいろ思案した結果、今回は強力な磁石を車内に載せ、磁力で連結させることとしました。しかし動力車には電池を載せる空間が無いため、動力無しの、本来なら後ろになるはずの車輌同士を連結しました。そして後ろ向きになる動力車は、電池を逆向きに入れられるようにすることで逆走できるようにしましたが、逆走させるとカーブで脱線するため、専用の連結器を用意してこれに耐えられるようにしました。

車輌にはメドが立ったところで、ダイヤのほうは羽田空港~逗子間のエアポート急行が設定される前の時期、京急川崎と金沢文庫で増解結があるものとしました。
この当時の併結列車の運転形態は、

○下り
羽田空港から来た特急が京急川崎で品川方面から来た快速特急の後ろに連結します。京急蒲田から京急川崎までは羽田空港発の列車が先行し、京急川崎駅の本来は折り返し列車が使用する引き上げ線に停車して後からくる品川方面発を先に通し、品川方面発が京急川崎駅に停まったところで引き上げ線から出発して品川方面発の後部に連結。金沢文庫駅で分割し、前は三崎口へ、後は新逗子へ。

○上り
金沢文庫駅で三崎口発品川方面行の快速特急の後ろに新逗子発羽田空港行の列車を連結、京急川崎駅で品川方面行が先に出発、あとから羽田空港行が出発。

という運転です。先行している増結車輌を後部に連結するために、ホームのない所に列車を停めてしまうあたりがいかにも京浜急行らしい運転と言われています。

このような設定に基づいてダイヤを作成しました。併結なし快速特急4本、併結有り快速特急2本、普通7本、京成線方面へのエアポート急行1本、という構成とし、駅は泉岳寺、品川、平和島、京急蒲田、京急川崎、仲木戸、横浜、上大岡、杉田、金沢文庫、堀の内、浦賀、羽田空港、新逗子、京急久里浜、三崎口、と用意しました。もちろん、快速特急が普通列車を追い抜くシーンも満載です。

さていかにもワタシが用意したかのような口ぶりですが、ここまでの準備は我が家のコドモ2人が行いました。

そして当日。果たしてダイヤどおりにうまく走るのか??

まずは会場設営。体育館に机を並べます。様々なスケールがあつまる会場です。Nゲージ、HOゲージ、16番、Oゲージナローとある中で、プラレールも展開します。

段々線路が敷かれていく場内……あれれ?なんだかドールがいたりねんどろいど(しかも自作)がいたりしますよ……鉄道模型の運転会のはずなのに?

さてプラレールも線路が敷設されました。結構な広さでの展開です。プラレールは電気の極性など気にしないので場所さえ決まれば敷設は早いです。しかしこの配線。どこ行きの列車にどの線路を走らせればよいのか、実物を知っていないと、説明を受けなければわからない配線です。

そしてプラレールは前述した通り手元で列車を操作することはできません。ダイヤ運転を行うには、車輌を「停めて」制御するのです。鉄道模型とはちょと異なるこの操作感覚についていけるでしょうか。

開催初日である土曜日の夜、第一回目の運転を行いました。
しかし結果はかなりの混乱状態に。次々と容赦なくやってくる列車が、ダイヤ上のどの列車なのかわからない状況になってしまいました。確かにダイヤには列車番号がなく、車輌も見た目で普通と快速特急の違いはわかるものの、ダイヤ上のどの列車なのかの識別ができないという意見があがりました。
これはある程度予測できたことでした。そこで、急遽ダイヤと車輌に「運行番号」を手書きで書き込みました。車輌には付箋紙に運行番号を書いて屋根に貼りました。これで、今来た列車の運行番号がわかり、ダイヤと見比べることが出来ます。
この改良を加えて再挑戦。すると今度はすいすいと運転が進みます。最初こそちょっとしたミスはありましたが、一回目の混乱が嘘のように進み、課題であり見せ場であった京急川崎と金沢文庫での連結・開放、京急蒲田の空港線直通列車の捌きも順調。皆さん鉄道好きですから、一度要領を覚えてしまえば、ダイヤ通りに捌いていきます。運転していた方の感想は「同じダイヤだったの?」。

しかしプラレールはスピードが速く次々に列車がやってきてしまうため、小駅以外はあまり余裕がありません。走る列車を見て楽しむというところまではいかないようです。しかし、プラレールならではの運転感覚を楽しんでいただけたようでした。

一泊して日曜日午前。もう一度運転を行いました。もう皆様慣れたもので、15分程度で事故もなく運転完了となりました。
参加したメンバーからは、増解結や普通列車が快速特急を退避するなど、京浜急行らしいと好評をいただきました。コドモ達の初めての挑戦だったにしては、良い出来であったと言えるのではないでしょうか。

あれ?ドールがなんか増えている……。

(文・写真:エドガー)