「うちの本棚」、今回はある意味、園田光慶作品の中でもっとも興味深いともいえる『性病部隊』をご紹介いたします。タイトルから受ける印象よりも、その内容のシリアスさに驚かされる作品です。


なかなかセンセーショナルなタイトルで、自分も大都社のコミックスの巻末広告で本書のタイトルを知ったとき、どんな作品なのか好奇心が収まらなかった。が、すでにその当時入手困難で古書店でも見かけることがなく、半ばあきらめていたときに手に入れたものだ。

「THE ENDからの逃亡」というシリーズのもと『性病部隊』と『夕日の罠』という2話から構成されるもので、表題となった『性病部隊』は、CIAが培養した新種の性病に感染した男女ふたりのエージェントが、相手国に入り込み蔓延させるというもので、セックスシーンもふんだん。とはいえ71年当時の、青年劇画の枠の中でのことである。もちろんストリー自体はエージェントふたりの葛藤などシリアスなもので、シリーズタイトルにもあるように、このままではTHE ENDとなってしまうという危機感をあおっている。

第2話である『夕日の罠』は「THE ENDからの逃亡」など、反戦歌で若者の人気を集めるシンガーを主人公に、その影響力を畏れた国防総省のエージェントが彼を陥れようと画策するというもの。

どちらの話も小池一雄らしいといえばらしいもので、なかなか読みごたえのある作品だ。また園田もそれまでのダイナミックな作風にしっとりとした色気をプラスしたものになっているようにおもわれる。

タイトルがタイトルだけに復刻の機会がないのかもしれないが、作品としては多くの人に読んでもらいたい内容であり、手にする機会があったらじっくりと味わっていただきたい。

初出/プレイボーイ(1971年3号~7号/※園田光慶作品のリストを作成しているサイトでは10号~さらに連載されている記述があるが、小池一雄作品のリストではそれはない))
書誌/大都社・ハードコミックス(昭和49年10月30日/初版には帯あり)

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/