【ミリタリー魂】第35戦 桜満開の「土浦武器学校桜祭り」に突撃!ミリタリーな話題をマニア目線でお届けしている、鉄砲蔵の「ミリタリー魂」。今回は友人より情報を頂いた陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校の桜祭りを訪問しました。

この土浦武器学校は旧帝国海軍時代、パイロット育成のための海軍飛行予科練習生、予科練の訓練が行われていた施設で、ここの桜は大東亜戦争時代の旧日本軍軍歌「同期の桜」で歌われた桜そのもの、今回はその「同期の桜」を愛でるお祭りとなります!


さて、最寄りのJR土浦駅1番バス停からJRバス、阿見中央公民館行きで10分ほど。バス代にして片道290円の場所に陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校の正門となります。

桜並木 案内パネル

正門を入って簡単な手荷物検査を受けた後、主な会場となる運動場脇の道路に進んでみると一面ピンクの雲のような桜吹雪に町内会の盆踊りの音楽。まさに春を祝うお祝いムードでした。現地で自衛官の方にお聞きしてみると、この日は政府閣僚をお招きして演説するとか戦車の体験搭乗などはなく、住民との交流パーティーのみとか。

今回、一般住民が入っていい範囲は案内パネルの青いラインの内側のみ。その範囲内でなるべく多くのものを見てこようと意気込みましたが、まずは運動場脇道路の露店で食事とします。

自衛官のうどん屋

若い自衛官の方がちょっと変わったうどん屋をやっていたのでそこで食べることにしました。うどんのトッピングがたぬき、わかめ、きつね、山菜の4種類各50円あるのですが、その4つ全部とうどん本体200円の計400円だとおまけが付くというので注文してみました。

おまけ付きうどん おまけのシール

最近は玩具銃の分野とかサバイバルゲームでも自衛隊をモチーフとした商品もありますが、自衛官自身によって販売されていたこのシール付きうどんもサバイバルゲームで出会う自衛官たちと何かと話題になりそうです。銃のどこかに貼ってゲームしよう。

さて、腹が満たされたら次に案内パネルの青いライン沿いにあたる場所をフラフラしてみることにしてみると、厚生センタービルの一階に5m×15mくらいのコンビニを発見。なんと、その店先のカートにはミリタリー関連のおみやげ物が!そして店内に入ってみると半分はふつうの生活雑貨や弁当、飲み物などで、半分は迷彩模様のポーチやバッグ、顔に迷彩ペイントを施すフェイスペイントなどを扱った、まるでミリタリーショップでした。まさに欲しいもの満載の自衛隊内コンビニ!ここは撮影禁止のため、写真で様子がお伝えできないのが残念でなりません。

軍用虫よけ

その自衛隊コンビニで購入した商品の中で民間でも役立ちそうなものをいくつかご紹介。プラスチック瓶入りの薬のようなものは軍用の藪蚊よけで、肌に塗って蚊に刺されないようにするもの。サバイバルゲームでの体験から言うと、屋外や山中にいる藪蚊は普通の薬屋で売っている民間用の虫よけでは全く効果がなく、ズボンの布の上からでも刺してきて、しかも首から顎の部分もデコボコに刺されていたものです。「ついにアメリカから上陸」とのふれこみでしたが、僕はすでに15年ほど前には別のミリタリーショップで薬としてではなくコレクション用として、つまり使用して何かあっても責任は負いかねます、という扱いで売られていたものを購入、真夏のサバゲーで愛用しておりました。軍用の虫よけ、強豪の揃った藪蚊には効果絶大でしょう。これは2100円。

野戦砲耳かき 野戦砲耳かき

次に大砲の模型から竹串が延びていて先に砲弾がついていて発射シーンを再現したようなもの、これを購入して引き抜いてみると耳掻きでした。野戦砲のデザインの置物としておいておき、時々耳をほじるのに良さそうです。750円。

サバイバルマッチ マッチ点火

真鍮製の小さな箱のようなものはオイルマッチというもので、ツマミを回して外すとオイルの染みたマッチ棒のようなものとなり、それを真鍮ケース横のフリントにマッチのように擦りつけると火がつく仕組みです。写真のように非常にコンパクトでキーホルダーとなっており、普段カバンなどの脇にでも下げておいて災害時などのたき火用に良さそうです。密閉状態であるため、詰めておいたオイルが使いたいときに蒸発してなくなっていた、なんていうこともなさそうです。また雨や水没にも強いのではないかと思い、真鍮製の金色のデザインも気に入って購入。380円でした。

さて、観光気分はこのくらいにして小火器展示コーナーへ。ここの展示コーナーは前にも一度創立記念日に来たことがありましたが、改めて見てみると気づいたことも。

中国製トンプソン

写真の木ストックの機関銃、アメリカのトンプソンサブマシンガン、シカゴタイプ、と思ったら、説明文によるとアメリカのものを真似て作られたものとか。日中戦争時に中国軍で使用されて旧日本軍に戦利品として得られたもので、後の中華民国初代総統、蒋介石(しょう かいせき)を支援するべく武器弾薬やその他の物資をアメリカ、イギリス、ソ連が供給したルート、いわゆる援蒋ルート(えんしょうルート)を通じて入ってきたアメリカ製の機関銃かと思っていましたが、この銃はアメリカ製のものを中国で真似て生産されたものだったのですね。

ゼロ戦照準器 照準器を覗いたところ

戦闘機の操縦席のようなものはゼロ戦の照準器が中に入っていて、実際に覗かせてくれるというもの。この操縦席、今回のイベントの情報を頂いた友人の方によると2年ほど前に武器学校の教材制作担当者が実際のゼロ戦から採寸して正確に再現した力作とか。
実際に覗いてみると狙いを付けるための十字線と同心円が白く光っていました。この照準器と同じような構造のダットサイトというものがライフルや拳銃にも応用されており、視界を広く取れるため5m~20m前後の至近距離の敵を素早く狙うのに適しているため、サバイバルゲームでも多用されています。

89式小銃 64式小銃

そこで会場におられた自衛隊の方に質問。
私:「この飛行機の照準器と同じ構造の、ダットサイトなるものを自衛隊の方が89式小銃に装着して市街地の撃ち合いの訓練で使用しているのをみかけましたが、もう自衛隊では普及がすすんでいるのですか?」

自衛官A:「今のところ実際に撃ち合いの危険性の大きな前線部隊に一部配備されているだけでしょう。私の部隊では見かけませんね。訓練でも200m~400mくらいは銃元々に備えつかられている、穴を覗くタイプの照準器でもよく当たりますよ。」

私:「自衛隊の64式小銃って色々な自衛官の方にお話を伺ってみると人によって評価が違うようですが、どうしょうか?」

自衛官B:「実銃の場合、命中精度は撃つときの姿勢による影響が大きいです。自衛隊の訓練で反動の受け方とかも学びます。64式は撃つときの姿勢さえ正しければ命中精度がいいですよ。」

なるほど。僕なんかせいぜい20m位をエアガンで狙う程度だしな。サバイバルゲームでも時々現職の自衛官の方がいらっしゃるけど実際強いです。射撃の腕以外でも連携プレーのとりかたは僕らより優秀でした。

陸上自衛隊やアメリカ軍などは平和な時代は人殺しのプロなどと僕の子供の頃は教師から言われていたものですが、こうした催し物で自衛官や軍人と面と向かって話していると彼らも普通の人間、そして阪神大震災、東日本大震災の時には彼らの力が頼り、ということを痛感します。催し物事になるべく彼らと親交を深め、憩いの時間をともにするのもいいでしょう。

▼陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校
http://www.mod.go.jp/gsdf/ord_sch/

(文・写真:鉄砲蔵)