「うちの本棚」、第十四回目となる今回は石森章太郎(石ノ森章太郎)作品を取り上げます。
石森プロダクションでアシスタントをするジュンは孤児院の出身だったが、18歳の誕生日を迎えた日、両親の遺産がある、と弁護士が訪ねてくる。
両親がいたことさえ知らなかったジュンは、弁護士に連れられて生家に行くとじいやと称する老人から、父がブルーゾーンと名付けられた、この世界とは別次元の世界からの侵略に気づき戦っていたことを知らされる。
そしてジュンも、ブルーゾーンとの戦いを始めるのだった…。

ストーリーの出だしはこんな感じだ。作者が本人役で登場しているあたり、手塚の『バンパイヤ』を思い出させる。また主人公のジュンも石森の人気作品『ファンタジーワールド ジュン』からの登場である。資産家のただひとりの後継者とその家に仕える執事という構図は、『仮面ライダー』にも通じる。案外『バットマン』からのアイデアかもしれない。

さてこの『ブルーゾーン』、いわゆる心霊現象を科学的な目で解きあかそうというのがテーマ。とはいえ、妖怪などが異次元の生物で、この世界を侵略しようとしているというのは石森お得意のパターンかもしれない。また、UFO、超能力といったものも扱われ、その後の石森作品につながっていくアイデアの数々がここに示されているようにも思う。

残念なのはほとんどの謎が解明されないまま中途半端な形で終了してしまっていること。作品発表時ではちょっと早すぎたアイデアだったのかもしれない。
そしてこのアイデアは『GRナンバー5』や『番長惑星(の一部)』として再び描かれることになっていくのである。

初出:少年サンデー 1968年6号~29号
書誌:小学館ゴールデンコミックス 全2巻
   大都社スターコミックス 全2巻
   石ノ森章太郎萬画全集 全2巻