「ナナメ観 特撮映像館」、第十一回目となる今回取り上げるのは、アンギラス初登場の『ゴジラの逆襲』です。
第1作の続編である本作品も香山滋の原作。第2作『ゴジラの逆襲』では、舞台を大阪に移したということだけで、あまりドラマ的な奥行きが出せなかったように思われる。東京に続いて大阪の街が二大怪獣の格闘で破壊されてしまうと、あっさりと舞台は北海道に移ってしまったりもする。とはいえ千秋実らの演技によって映画としての重みは保っていた。本作品もモノクロで制作された。

第1作ではゴジラによって破壊された東京に、大空襲の記憶をダブらせた。本作では小泉、千秋らが0戦パイロットであったという設定から、まだ戦争が終わったばかりの時代だったことを感じさせる。

光に対して敏感で、光をみると凶暴性を増すというゴジラの生態は、第2作では水爆の記憶を呼び起こすからではないかとも推察されている。主に夜行性でもある。

ゴジラが第1作で水棲恐竜から陸棲恐竜へ進化する過程の生物と推察されていたのは前回紹介したが、第2作で登場するアンギラスはアンキロサウルスであり、陸棲の恐竜のはずである。なのにゴジラ同様水爆実験の影響で目覚め、大阪に上陸してくるというのはちょっと強引な気がしないでもない(ゴジラを海上に誘導するための照明弾を目指してきたという設定のようだが)。またゴジラが複数の個体によって生存してきたのに対し、アンギラスは他の個体が確認されていないのは、単一個体が冬眠状態にでもあったということだろうか(まあ、その後の作品でも登場するので2匹はいたのかもしれないが)。

本作の最大の特徴は、ゴジラとアンギラスによる、巨大生物の格闘と言っていいだろう。ここではその後のシリーズのようなプロレス的な格闘ではなく、動物的な噛み付き合いが中心であり、巨大生物の争いがスクリーン狭しと展開されている。

また前作で東京湾に沈んだゴジラだが、本作ではオキシジェンデストロイヤーもなく、その対処に苦慮する。偶然にも北氷洋に近い島に上陸したところを氷詰めにすることで、一応の終結となるわけだが、この氷詰めというか、冬眠させるというゴジラへの対処法はその後のシリーズへも受け継がれていく。

監督/小田基義、特技監督/円谷英二
キャスト/小泉 博、千秋 実、若山セツ子、土屋嘉男、志村 喬、ほか
原作/香山 滋