不定期連載の「エドガーの無所可用、安所困苦哉」。エッセイの様なコラムの様な読み物です。第8回は、建設機械。中でもピンポイントに「ロードローラー」のおはなしです。
ちなみに鏡音リンがどうこうする前からのロードローラー好きです。

いわゆる「はたらくじどうしゃ」。建設機械が好きな方は結構いらっしゃるのではないかと思うのです。
クレーン、バックホウ、ホイルローダー、パワーショベル、ブルドーザー等々。
ワタシが好きだったのは、というか今でも好きなんですが、「ロードローラー」。
要するに路面に敷いたアスファルトなどを平らにするやつです。

好きだったのは幼稚園にあがる前から。ロードローラーをみつけるとしばらく眺めないと動かなかったらしいです(母親談)。思い返せば、近所の大きな道の舗装工事のとき、何時間もローラーが道を均すところを飽きずに見ていたものです。

ロードローラーには複数の種類があります。

・マカダム式
スコットランドの技術者ジョン・ロウドン・マカダムが考案したのでこの名前だそうです。
横幅の広い鉄車輪を3つ、いわゆる三輪車式に配置したもの。
鉄輪ですので、敷いたばかりのアスファルト上を走る時は特別音はしませんが、既に固まっているところを走ると「ガリガリガリガリ」とすごい音を立てます。
このタイプのローラーは、巨大な鉄輪にものすごい迫力を感じたものです(2~3歳児から見たら、鉄輪は大人の背丈より大きなくらいありましたから)。

・タンデム式
見た目の違いは、3輪式のマカダムに対し、タンデムは前後に同じくらいのサイズの広幅の鉄輪を配置したものです。比較的小型なものが多いように思います。

・タイヤ式
ミゾのないタイヤを沢山並べたものです。
最近では3~4個が主流のようですが、ワタシが子供の頃は7~8個並べた大型のものがありました。これはこれで好きでしたが、やはりマカダム式の迫力には叶いませんでした。

と、以上簡単に紹介しましたが、これらは「道路を平坦に均す」ということは、「公道を自走する」ことになるので、勿論ナンバープレートが付いています。
ワタシの子供の頃の記憶では、00ナンバーがついていました。
そのナンバーの珍しさも記憶に残っているひとつです。また00ナンバーなんてそう沢山あるものでもないようで、ナンバー本体も1番とか2番とかで、妙な興奮?を覚えました。
ちなみに3桁化された現在は「000」がついています。

こうした自走式ローラーのほかに、人が引っ張るハンドガイド式というものもあります。これは自走しないので、ナンバープレートがありません。魅力も自走式にくらべると半減。最近の小規模な工事ではこちらの出番が俄然多く、ちょっとがっかりです。

これらのローラーは目的が多少異なるので、大きな舗装現場では一通り見ることが出来ました。ですが、なにせ小さい頃のことなので、写真などが残っていないのが残念です。ネットで検索しても、最新型の写真はありますが、かつて見た迫力満点のローラーは無いですね。ミニカーにもなっていたのに残念です。
ちなみに、そのミニカーもどこかへ行ってしまいました。

マカダムローラーにはもう一つ、実は、「機関車と外見が似ていた」ということがあります。
というのも、ローラーの有名メーカーである酒井重工業は、旧名を酒井工作所といい、全国の森林鉄道・鉱山鉄道などに機関車を供給していたメーカーでもあるのです。
ボンネットの、特にラジエーター部分が、機関車とローラーで非常に似た形をしていたのです。何気なく見ていた外見に機関車を感じていたのかもしれません。

最近はロードローラーもコンパクトになり、以前のような迫力がないのが残念です。特にマカダムローラーは割と丸みのある車体のものが多かったのですが、最近のは角ばってますね。タイヤローラーはタイヤの数が減ってしまい、これもちょっと魅力減、という感じです。あのたくさん並んだタイヤが魅力なのにw
また工事の規模も小さくなりましたね。新規に作る道路では大きなローラーが活躍しているようですが、市中の道路の舗装のしなおしなどは通行止めにして全部張替えとかは少なくなり、交通を確保した状態で少しずつ行うようになり、大きなローラーの出番が減ってしまったようで、残念です。

そんなわけで、ロードローラーをみたら、あれはマカダムだっけ?タンデムだっけ?と思い出してください。なにかちょっと違う人になった気分に・・・なれないですかね。