毎週水曜連載の『うちの本棚』、第十回目となる今回は、水木しげるの『怪奇猫娘』をご紹介。
水木しげるに限らず、貸本漫画で活躍しのちに雑誌に移って行った作家たちは、貸本時代の作品を雑誌でリメイクしている。本書も『ないしょのはなし(墓場鬼太郎)』を経て『ゲゲゲの鬼太郎・大海獣』と2回リメイクされている。

大まかな筋立ては同じだが、『大海獣』で鯨の祖先の血を輸血するところを、オリジナルである『怪獣ラバン』では、ゴジラの血を輸血することになっている。そう、つまりは映画『ゴジラ』から派生した作品のひとつだったというわけである。

とはいえ「ゴジラ」自体はほとんど登場しない、まったくのオリジナルストーリーなのだが、「ラバン」という名称がどこからでてくるのか、ちょっと唐突なところもある。また描き下ろしの単行本ということもあってストーリー展開には余裕があるのだが、最後に来て突然のハッピーエンドというのはいささかシラける。

いずれにしろこれまで復刻されて来なかった作品なだけに、オリジナルの完全復刻というのはうれしい限りだ。今回の復刻では京極夏彦が原本を提供している。またオリジナル版は水木ではなく東真一郎名義で刊行され、内扉に制作・水木漫画プロという表記がなされている。

書 名/怪獣ラバン
著者名/水木しげる
出版元/小学館クリエイティブ
判 型/四六版
定 価/1900円+税
シリーズ名/復刻名作漫画シリーズ(ただし本書にはこの表記はない)
初版発行日/2009年7月22日
収録作品/怪獣ラバン